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私は、王都で戦の知らせを聞いた。

政様が、珍しく慌てている。

韓(秦の隣国)の城を次々に落としているというのは聞いていたが、それならばこんなに緊迫した空気が流れることは無いだろう。

けれど、私にそんな話を説明してくれる人はいない。

それに、さっき聞いた話だと、村人の強制徴兵をしているようだ。

なぜなのか、知っているのは今日の軍議に出席する者たちだけだ。

何か、とんでもなく大きなことが起きるような予感がする。

そして、少しの嫌な予感も_____。



その頃、集められた兵士たちは、伍作りをしていた。

伍というのは、共に戦をする仲間のことだ。

そして、百人将になった信の隊には、20人の伍長が集結した。

信と同郷の者、前の戦で活躍した伍、とにかく強そうな男を集めた信の百人隊が、完成しようとしていた。

あとは、信が任命した副隊長、羌瘣の到着を信じて待つのみ_______。



そして、私は、衝撃の事実を知った。

今回の戦の秦軍総大将が、あの、伝説の“王騎将軍”だということだ。

どうりで、さっき軍議を終えた文官たちの様子がおかしかったわけだ。

王騎とは、今や最後の1人となってしまった
“秦の六大将軍”。

なぜ、もう飛ぶことをやめた“秦の怪鳥”が今現れたのか。

その真意を知るものはいない。




私が、考え事をしていると、突然、扉が開けられた。

入ってきたのは、貂と、見覚えのある男の子。

どこかで見た顔のはずなのに、思い出せない。

「変わりませんね、姉上。」

「あ!」

その言葉でピンと来た。

「A、うるさい。」

貂に言われたけれど、そんなこと気にしていられない。

「も、蒙毅くんだよね?」

「そうです。
 良かった、思い出してもらえたみたいで。」

そう言ってクスリと笑う姿は、もうあの頃の可愛い蒙毅くんではなかった。

「気づかなくてごめん。でも、どうしてここに?」

「あぁ、河了貂と同じ軍師学校にいるのです。
 正確には軍師学校ではないのですけれど。」

「そうなんだ。貂も、久しぶりだね。」

「おぅ。Aは、今度の戦には出ないのか?」

「あぁ、うん。何か、言う機会失っちゃって。
 信は行っているんでしょ?百人将として。」

「そのはずだよ。
 それよりA、オレ達と一緒に戦を見に行こう。」

「え?」

私は、意味がわからず口をポカンと開けた。

「そういうことです。では。」

楽しそうに笑う蒙毅くん。

それだけ言って部屋を出て行った。

戦場→←旅立ち 弍



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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます!!嬉しいですー!!更新頑張ります……!! (2022年5月5日 20時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみに待ってました!!なんかめっちゃ楽しみになってきた!! (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど!!!それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです!!信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね!! (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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