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旅立ち 弍 ページ20

「信。いるのか?」

羌瘣が呼んでも、返事はなかった。

「グースー……ピー」

「...信。...起きろ。」

羌瘣が、信の体を揺する。

「...あ?誰だ...って羌瘣じゃねえか!」

「そうだが。」

「あれ...Aも?」

「うん。貂に誘われたからね。」

「そういえば、貂は?」

信は、起き上がってあぐらをかいた。

その前にはたくさんの美味しそうな料理が。

「おい、羌瘣!」

信の質問を無視して、もう食事に手をつけている羌瘣が、口をモグモグさせながら振り向いた。

「貂は、軍師学校だ。多分、この国で1番の。」

「ふぅん。昨日言ってたな、そんなこと。」

信は、何でもないことのように反応した。

「信、それだけ?」

「何が?」

信は、心から、というように言った。

「だって、ずっと一緒に暮らしてたんでしょ?」

「あぁ、でも、あいつなら大丈夫だ。
 どんな生活にだって耐えられる。」

「そういうことだ。じゃ。」

思う存分食事をしたのか、羌瘣が立ち上がる。

「羌瘣?!帰るの?」

「A、ゆっくりしていけ。」

扉を開けながらそういう羌瘣に、

「いやいや、ここ、お前の家じゃねーし。」

信が、ツッコミをいれる。

「じゃあな。美味かった、ありがとう。」

「おぅ。またな。...って、あ!待て!」

信がもう外に出ていた羌瘣を追いかける。




「羌瘣、敵討ちが終わったら帰ってこいよ。
 俺の百人隊にはお前も入ってるんだから。」

「勝手に入れるな。」

「で、返事は?」

「まぁ.......考えとく。」

「おぅ、じゃあな。」





羌瘣は、そのまま歩いていった。

「信、私もそろそろ帰るね。
 美味しかった、ありがとう。」

「あぁ、貂の料理は最高だかんな!」

そう言ってニカッと笑う。

「あ、そうだ、貂は昨日何て言ってたの?」

これはずっと気になってたこと。

「あぁ、『軍師になって、お前をアゴで使ってやる〜!』って言ってた。」

「貂らしくて安心した。」

「貂が戻ってくる前に、俺ももっと強くなんねぇとな。
 本当にアゴで使われちまう。」

貂と信は、私が思っているよりもずっと強い絆で結ばれているようだ。

「そうだ、A。お前も俺の隊にどうだ?
 一緒に戦おうぜ。」

「嬉しい、でも、私は、子供の頃に決めたんだ。
 私は、その人と戦場に出たい。
 今はどこで何をしているかも分からないけどね。」

「そうか、残念だけどしょうがねぇ。
 今度は戦場で会うことになるな。」

「そうだね。」


次回...戦

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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます!!嬉しいですー!!更新頑張ります……!! (2022年5月5日 20時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみに待ってました!!なんかめっちゃ楽しみになってきた!! (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど!!!それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです!!信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね!! (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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