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女でも ページ18

羌瘣が行動したのは、夜遅くのことだった。

私は、それを追いかけ、窓から外に出る。

ベランダのようなところに出ると、2階ということもあって、髪が風に煽られる。

「...待って。」

「どうして...?」

羌瘣は少し驚きつつも、逃げることはしなかった。

「貴方は、女なんでしょう?
 どうして、戦場なんかに出るの?」

「……敵討ち。私には、それしかない。
 だから、今回も安全に魏に渡るためだけに参加した。」

そう言うと、羌瘣は頭に巻いていたものをとった。

現れたのはさっきは分からなかった可愛らしい顔立ち。

「そう、なんだ。
 ねぇ、羌瘣が使っているのは、何の技?」

「“舞”だ。」

「私にも、出来る?」

私は、ずっと考えていた。

羌瘣が女だと知ったときから。

私も、戦場に出たい、と思っていたことに気づいた。

だけど、まだ力が足りない。

今回、本当の敵と対峙して、分かった。

かろうじて命を守れた程度だし、危ないときは信が助けてくれた。

こんなんじゃ、戦場になんて出られるはずがない。

「無理だ。」

「そう、だよね...。」

私は、分かっていたのかもしれない。

でも、やっぱりショックだった。

しかし...

「でも、お前は、“蚩尤の舞”がなくても十分やっていける。」

「え?」

「すぐそばで見ていた私には分かる。」

羌瘣は、小さく微笑んだ。

その姿は、月光に照らされ、美しく輝いていた。








「変な被り物のやつ。出てこい。」

私が、驚いて振り向くと、そこには貂がいた。

「軍師になりたい、と言っていたな。
 良いところを紹介してやる。」

「お、あ、ありがとう。」

私が何のことだか分からずにキョロキョロしていると、

「A、と言ったか。」

「は、はい。」

「私はまた、敵討ちに出る。」

小さく頷くと、キョウカイは“じゃ。”と言って落ちていった___。

しっかりと着地した音が聞こえたけども。








次回...旅立ち

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ももか(プロフ) - 丸さん» ありがとうございます!!嬉しいですー!!更新頑張ります……!! (2022年5月5日 20時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- 楽しみに待ってました!!なんかめっちゃ楽しみになってきた!! (2022年5月5日 0時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» なるほど!!!それも面白いですね(o´艸`)妄想が膨らみます!! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)
- ももかさん» いえいえ、はい、かっこいいです!!信も主さんのこと恋したりするのかな…そしたら恬が怒るなぁ、、と感じに毎日妄想したりしてます笑 (2022年3月28日 20時) (レス) id: ae8d47718e (このIDを非表示/違反報告)
ももか(プロフ) - 丸さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!m(__)mここからの蒙恬かっこよすぎますよね!! (2022年3月27日 21時) (レス) id: 51abeda63b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ももか | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年6月14日 21時

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