検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:35,641 hit

(9) ページ9

※現在






二人ともご飯を食べ終え、定食屋を出る。



「....ほら...」

すると急にトシちゃんが私の前に背を向けしゃがんだ。


『....はい??』

「いいから早く黙っておぶられろ...
 その足じゃ歩けねぇだろ」

『いや大丈_____ブチッッ!

ちゃんと歩けるところを見せようと足を踏み出した瞬間、

緒が切れた.....


「...ったく...ほーら、はーやーくー」


緒が切れてしまっては、歩けるものも歩けない...

急かされた私は、渋々トシちゃんの背中に乗った。


「....おい..落ちたくなきゃしっかり引っ付いとけ」

『う..うん...』



体全体がトシちゃんの体と密着する。

さっき昔のことを思い出してたからか、増して心臓の音がうるさい。

これじゃトシちゃんにも伝わっちゃうよ...




『...ねぇトシちゃん』

「あ?」


『...私ね..ずっとトシちゃんに謝りたかったことがあるの』

「...十年越しにか」

フッ..と鼻で笑うトシちゃん。


『...昔、私達が最後に会った日...
 私、トシちゃんに..何の応援の言葉もかけてあげられなかったでしょ?』

「.....」

『...自分のことばっかで...だから...
 ちゃんと見送ってあげられなくて...ごめんなさい』

ずっと後悔していたことを、自分の口で直接謝ることができて、
何だか心の中が少し軽くなったような気がした。


「.....んなこと気にしてたのか...」

『...うん』

「.....つーか謝らなきゃいけねぇのは俺のほうだろーが...」

『え?何?』

トシちゃんの背中にいる私は呟きのような声が聞き取れず、聞き返しても、

「..んでもねぇ」

ぶっきらぼうにそう言うだけ。

(10)→←(8)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
42人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

てい(プロフ) - 都さん» 鬼なのにちゃん付で呼ばれる土方殿それだけで可愛くてしょうがないですね(/_;)読んで頂きありがとうございます! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!いつもは土方さんって呼んでいるんですが(自分の中で)、今日からはトシちゃんって呼んでみようかなって思いました(笑) (2020年9月30日 17時) (レス) id: 89cdf63d52 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 陽渚さん» ありがとうございます(;;) (2020年9月2日 3時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - すごく良きです! (2020年9月2日 0時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 光華さん» 嬉しいお言葉のコメントありがとうございます(T^T) (2020年9月1日 7時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:てい | 作成日時:2020年8月13日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。