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送ると言っても、彼は私の斜め後ろを付いてくるだけ。

彼のことが.....知りたい。

切実にそう思った私は、少し振り返って尋ねた。

『あの...名前...教えてください...』

「土方....
 十四郎...」

『十四郎...
 じゃあ...トシちゃんね!』

何となく、仲良くなれるかなと思って親しみを込めてあだ名を作って笑っている私に、

「...好きにしろ」

冷たい言葉とは反対に、口元が少し緩んでいるのが分かった。


『...フフっ』

思わずトシちゃんの顔を見たまままた笑ってしまう。


「んだよっ!そんなに俺の顔がおかしいかよ!」

『うん..おかしい』

「んだとコラぁ!」

怒ってもちっとも怖くない。

だって、耳が真っ赤なんだもん。


気付けば真横に、トシちゃんがいる。


「おめぇは『A..私の名前...AAだから...』

トシちゃんの透き通る低い声で、私の名前を呼んでほしくて、遮るように言った。

トシちゃんは少し驚いたような顔をしたけど、

「...おぅ」

とだけ言った。



それからは、自分と同じくらいの背の私が、
トシちゃんより三つ年下ということに驚いたり

トシちゃんはマヨネーズが大好きだということ
トシちゃんは少し前から剣術を学んでいること

その道場には憎ったらしい年下の男の子がいること、
自分をこの世界に誘ってくれた近藤さんという人を慕っていること

トシちゃんのことを少しでも知ることができて、
私はそれだけで胸がいっぱいだった。



もう家は目の前...

もっとこうしてトシちゃんと一緒にいたいな...

そんなことを考えていると、

「...また来いよ...あの空き地....俺...よく行くから...」


私の胸中を察したかのように言われたその言葉に、

『....うん!!』

満面の笑みで応えた。



『今日はありがとう!バイバイトシちゃん!』

別れ際、私が手を大きく振りながら言うと、

「..おぅ」

と短く返事をし、背を向けた。


私も背を向け玄関のドアノブに手をかけた時、

「_____Aっ!.....またな...」


トシちゃんは、いなくなったと思ったら急に現れる。




でも...あの日は違った。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
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てい(プロフ) - 都さん» 鬼なのにちゃん付で呼ばれる土方殿それだけで可愛くてしょうがないですね(/_;)読んで頂きありがとうございます! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!いつもは土方さんって呼んでいるんですが(自分の中で)、今日からはトシちゃんって呼んでみようかなって思いました(笑) (2020年9月30日 17時) (レス) id: 89cdf63d52 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 陽渚さん» ありがとうございます(;;) (2020年9月2日 3時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - すごく良きです! (2020年9月2日 0時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 光華さん» 嬉しいお言葉のコメントありがとうございます(T^T) (2020年9月1日 7時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てい | 作成日時:2020年8月13日 16時

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