(24)〜完〜 ページ24
「....ぅ..んっ...」
しばらくして、私が苦しそうな声を出すと、互いの唇が離れる。
同時に、手も解放された。
するとまたすぐに、トシちゃんは、私の首元に顔を埋めるように抱き寄せる。
『...トシ..ちゃん...?』
「...悪ぃ...」
私の呼びかけに、弱々しく答えた。
『..何で謝るの...』
私はそっとトシちゃんを抱きしめ返しながら、
トシちゃんの頭をそっと撫でる。
「...A...俺ぁお前といると...理性っつーもんが..全部吹き飛んじまいそうになる...
..お前を他の男の誰の視界にも入れさせたくねぇ...
..もしAが...俺の前からいなくなっちまったら俺ぁ....」
そう言って、更に抱きしめる力を強めるトシちゃん。
『.....トシちゃん...苦し...』
「あ..すまねぇ...」
トシちゃんは私からゆっくりと体を離す。
私はトシちゃんの頬を、両手でそっと包んだ。
トシちゃんは少し驚いたような顔をし、私を見つめる。
『...トシちゃん?私はどこにもいかない
私はずっと...トシちゃんのそばにいる』
まっすぐトシちゃんの目を見て、はっきりと言った。
「..A...」
『..それに私...トシちゃんなら...その..何でも...受け入れる...つもり...』
私がそう言い終わるのと同時に、トシちゃんは私をヒョイと軽々しく、
お姫様抱っこのような形で持ち上げ、下駄を脱がせ、部屋の中央へと運ぶ。
『...ちょちょちょちょトシちゃん...?!』
「..あ?何でも受け入れるって言ったのはお前だろ?」
とてつもなく驚いている私に、淡々と答え、
そのまま私を、床にゆっくり寝かせた。
...さっきの弱々しいトシちゃんは..?!どこ..?!
そしてトシちゃんは、私の顔の両隣に両手をつき、
上から見下ろしながら言った。
「..んじゃ、俺の全部...受け入れてもらおうか...」
『...上等..』
いつの間にか外は真っ暗で、
月明かりだけが、私たちを照らしている。
END
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てい(プロフ) - 都さん» 鬼なのにちゃん付で呼ばれる土方殿それだけで可愛くてしょうがないですね(/_;)読んで頂きありがとうございます! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
都 - 面白かったです!いつもは土方さんって呼んでいるんですが(自分の中で)、今日からはトシちゃんって呼んでみようかなって思いました(笑) (2020年9月30日 17時) (レス) id: 89cdf63d52 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 陽渚さん» ありがとうございます(;;) (2020年9月2日 3時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - すごく良きです! (2020年9月2日 0時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 光華さん» 嬉しいお言葉のコメントありがとうございます(T^T) (2020年9月1日 7時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てい | 作成日時:2020年8月13日 16時