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そして、二日後。



『..じゃあ..行ってきます..!』

大きな荷物を抱えて玄関を出る。

大体のものは既に送ってあるけど、やっぱりものすごく重い...



お母様は、たまには十四郎さんと一緒に顔見せに来てちょうだい。
なんて言いながら、笑顔で見送ってくれた。





家から駅まで歩き、電車に乗り込んで、数時間...

江戸に到着し、
そこからさらにタクシーに乗ってトシちゃんの元へ。


..江戸の街は、すっかり夕日に染まっていた。



真選組の屯所の前でタクシーから降りると、
丁度向かいから、見回りでも終えたのか、パトカーがゆっくり走ってくる。


私は一瞬で気が付いた。

..助手席に乗っているトシちゃんの姿に。


パトカーは私の前で止まり、
中から、煙草を咥えたトシちゃんが降りてくる。


「...よぉ..」

その愛おしい声を聞いた瞬間、

私は反射的に、持っていた荷物をドサッと落とし、
何も言わずトシちゃんの首元に飛びついた。


「..ばっ...おまっ...!ここ屯所の目の前だぞ..!?」

トシちゃんは、自分の首に回ってきた私の両腕を離す。


そして、こちらをガン見している運転席に座る部下らしき隊員に、
先中入ってろ、と命令した。


『...ごめん...トシちゃんに会ったら..何か安心しちゃって...』

私は、落としてしまった荷物を拾い上げる。


「..わーってるよ..んなこと...俺だって.....」

トシちゃんは何か言いかけながら、私から荷物を強引に奪う。

『..あ、荷物くらい自分で持てるって!』

「..ばーか、お前の腕..赤いどころか..青くなってんじゃねぇか..
 どうせまた自分でも気づいてねんだろ..
 俺ぁ今日の仕事も一段落ついたとこだ..行くぞ...」


トシちゃんは、スタスタと私の前を歩き始める。




....ほんとだ...

何時間も重い荷物を持っていた腕は、痛々しい色をしていた。



小走りでトシちゃんの横に追いつき、並んで歩く。



『...トシちゃんには、隠し事とかできなさそうだなぁ..』

「...したら拷問地獄な」

私が冗談っぽく言うと、真顔で答えるトシちゃん...


『...でもトシちゃんになら....ってウソウソ...』

「..俺の腹に蹴り入れた凶暴女が...」



..なんて、どうってことない話をしていると、
真選組の屯所から通りを二つ跨いだ所にある、
私の住むアパートに着いた。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎   
作品ジャンル:アニメ
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てい(プロフ) - 都さん» 鬼なのにちゃん付で呼ばれる土方殿それだけで可愛くてしょうがないですね(/_;)読んで頂きありがとうございます! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
- 面白かったです!いつもは土方さんって呼んでいるんですが(自分の中で)、今日からはトシちゃんって呼んでみようかなって思いました(笑) (2020年9月30日 17時) (レス) id: 89cdf63d52 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 陽渚さん» ありがとうございます(;;) (2020年9月2日 3時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - すごく良きです! (2020年9月2日 0時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 光華さん» 嬉しいお言葉のコメントありがとうございます(T^T) (2020年9月1日 7時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てい | 作成日時:2020年8月13日 16時

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