(17) ページ17
しばらくして、トシちゃんが戻ってきた。
「うし、行くぞ」
いつの間に隊服に着替えたのか、昨晩の着流しを着ている時とはまた違う雰囲気のトシちゃんに、
内心ドキドキしながら立ち上がる。
長い廊下を二人で歩いていると、
昨日真選組を訪ねた時に出てきた、栗色の髪をした少年と会った。
〈あ、クソ土方とクソ土方の幼馴染のクソ綺麗なねぇちゃんじゃありやせんか〉
褒められてるのか貶されてるのかわかんないなぁ...
『あ..昨日はどうも...』
適当に挨拶をし、不意にトシちゃんのほうを見ると、
.....あからさまに不機嫌...
だが栗色少年は続ける。
〈..Aさんでしたっけ?
どうですかぃ?こんな野郎と幼馴染なんてしてないで、
ちょいと俺と楽しいことしやせんか?〉
『...あはは..折角ですけど遠慮「おい総悟」
戸惑いながら答えようとすると、
トシちゃんが割り込んで私の言葉を遮った。
〈何ですかぃ土方さん..俺ぁAさんと話してるんでぃ〉
「こいつは俺のだ」
”俺の”とはっきり言われ、頬が緩んでしまいそうになる。
〈...ちぇっ..土方のくせにこんないい女自分のものにしちまうなんて、
マヨラーも捨てたもんじゃねぇでさぁ〉
「...っるせーーよ!
...ったく...ほら、行くぞ」
そんな何だか微笑ましいようなやり取りを見ていると、
トシちゃんに手を引かれ、
総悟さんに軽く会釈をしてまた歩き出した。
42人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てい(プロフ) - 都さん» 鬼なのにちゃん付で呼ばれる土方殿それだけで可愛くてしょうがないですね(/_;)読んで頂きありがとうございます! (2020年9月30日 23時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
都 - 面白かったです!いつもは土方さんって呼んでいるんですが(自分の中で)、今日からはトシちゃんって呼んでみようかなって思いました(笑) (2020年9月30日 17時) (レス) id: 89cdf63d52 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 陽渚さん» ありがとうございます(;;) (2020年9月2日 3時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - すごく良きです! (2020年9月2日 0時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 光華さん» 嬉しいお言葉のコメントありがとうございます(T^T) (2020年9月1日 7時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てい | 作成日時:2020年8月13日 16時