【完了】5話なんじゃね？ ページ6
貴方side
この前俺は鈍器で殴られたかのようなと例えたが、その衝撃は今、鮮明に脳内にうつっている。
自分の中でコンクリートで固められたかのような心臓が壊れて何かが溢れ出してくる。
それは俺の記憶を辿ったものだった。
自分で意識しても思い出せないような記憶である。
その記憶には小さな俺が二人いた。
サッカーをしている自分と、それを楽しそうに見ている自分。
双子の兄弟が戯れているような、非常に微笑ましい光景だった。
ただ俺は本能的にサッカーをしている人物は霧野だとわかった。
根拠があるわけでもないし、証拠があるわけでもない。
ただ俺には絶対的な自信がある。
この人は、霧野だと。
記憶は物語のように流れてゆく。
日が暮れた頃、俺が「帰ろ」と幼い声で言えば霧野は「うん！」と元気よく返事をした。
帰り道、霧野はそわそわしていた。
するとポケットに手を突っ込み、一つのネックレスを差し出した。
ハートの形をしたロケットだ。
そこで記憶は終わった。
そのハートのロケットは、俺が今でも大切にしているものだ。
小学生の頃、何故かタンスから出てきた。
どこで手に入れたのか覚えておらず、
けれど大切なものだと、直感的に思ったのだ。だからずっと持っている。
もしかしたら、その直感は間違っていなかったのかもしれない。
妄想かもわからない、そんなものを信じるなんて非現実的だが
信じてみよう。
「これ、知ってるか」
「…いや、知らないが」
ガクン、と視界が揺れた。
何を、ショックを受けているんだ。
所詮、自分の妄想だっただけなのだ。
気にすることなんてない、のに。
零れそうになる涙をこらえて必死に微笑む。
俺は何を過信していたのだろう。
何を根拠に、証拠に、言っているんだろう。
「さ、サッカー好きんだっけ」
突然の霧野の明るい声に目を丸めた。
ただすぐにハッとする。
彼は自分がペンダントのことを知らなくて、俺が悲しんでいると思い、負い目を感じているのではないのか。
俺を元気づけようとして？
「ああ！！」
空元気に見えるかも知れないが、それに応えなければならない。
彼に気を遣わせてしまったのだから。
俺なりに熱くサッカーについて語らせてもらった。
「へえ、ならサッカー部入るか？」
何故か半笑いで入部を進める彼を俺は半笑いで「やだ」と返す。
サッカーのフィールドで同じ顔の男女が二人走り回るとかとんだホラーである。
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きんぐ(プロフ) - 南川マサ丸舞さん» はい！わかりました！わざわざコメありがとうございます(ﾉД`) (2013年5月6日 21時) (
レス) id: 3d8198513a (このIDを非表示/違反報告)
きんぐ(プロフ) - 続編の小説が消えました。すいませんです。また、新しい小説を考えております。その小説もよろしくお願いします。 (2013年4月9日 20時) (レス) id: 3d8198513a (このIDを非表示/違反報告)
猫村友衣歌(プロフ) - 幸福安心委員会好きです！ サボりん もウケましたｗ (2013年4月3日 20時) (レス) id: 6c9766218e (このIDを非表示/違反報告)
いるるん(プロフ) - ↓だっだっだっだっだっだっだっだっだだだ、大丈夫かぁああああああああ!! (2013年4月3日 20時) (レス) id: 4be41aa348 (このIDを非表示/違反報告)
いちゅ - ナ・ナンジャコリャー！↓↓ (2013年4月3日 20時) (レス) id: 8b3ba270dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんぐ | 作成日時：2013年3月22日 17時
