【完了】30話なんじゃね？ ページ31
剣城side
先輩方がきゃあきゃあと騒いでいる。
俺を見る目はいつだって［そういう目］だ。
怖いだの、カッコいいだの、中身なんてちっとも見ちゃいない。
そういう奴は結局、俺の好きなこと好きなもの、そんなものに興味はない。
同じように好きだ、と欲しい言葉をくれないのだ。
だから俺もそういう奴らに同じように興味はない。
池沢先輩は、違った。
好きなものをキラキラした目で｢好きなんだ｣と素直に言った。
そんな先輩の目が本当に好きだと思った。
｢い、今行きまふ……｣
顔面蒼白な先輩が控えめに手をあげた。
周りからの好奇の視線に耐えかねて顔を伏せている。
全く顔色が伺えないが、間違いなく真っ青だろう。
申し訳ないと少しだけ罪悪感が迫ってきた。
｢すいません、失礼します。｣
池沢先輩の手を引いた。
手汗びっしょりな池沢先輩を可愛らしく思ったのは秘密だ。
今彼女はどんな表情をしているのだろう。
顔が青かったり赤かったり、笑ったり焦ったり、目まぐるしく変わる表情をそばで見ていたい。
まるで姉ができたような気分だ。
｢すみません。着きました。｣
屋上のドアを二回捻ってドアノブを少し押しつつ回す。
こうすることで古いドアは嫌な音をたてて素直に開いてくれる。
これがサボるための技術である。
この学校の屋上は鍵はかかってないが、開けるのに少しコツがいる。
これを見つけ出すのに二週間通いつめた。
これがサボるための精神力である。
｢そろそろ手を……｣
｢ああ、すみません｣
｢ああ、おう。ご飯、食べようか。｣
彼女の真っ赤な顔を冷ますように心地いい風が吹き抜けた。
桃色の髪をさらりと撫でていく。
綺麗だなんて柄にもなく思ってしまった。
｢はい。食べましょう。｣
予め購買で買った菓子パンを開けて口に入れる。
隣に座った池沢先輩はいただきます、と一言呟いて唐揚げを口に放り込んだ。
｢池沢先輩の弁当は」
｢あーコレ？コレは、俺が作ってんの。まあほとんど冷凍食品詰めこんだだけだけどな｣
いえ、それでもすごいです。そう言うと照れたようにそっぽを向いた。
なんとなく翳りのある言い方をした池沢先輩だが、俺の気の所為だろうか。
嫌に鋭い自分が嫌になる。気付かなくてもいいことまで気付いてしまう。
｢無表情で言ったって説得力ないっつーの！顔はいいんだ。笑えよ。｣
そんなことがどうでもよくなるくらい、彼女は底抜けに明るい。
きっと、何も、問題はない。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
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きんぐ(プロフ) - 南川マサ丸舞さん» はい！わかりました！わざわざコメありがとうございます(ﾉД`) (2013年5月6日 21時) (
レス) id: 3d8198513a (このIDを非表示/違反報告)
きんぐ(プロフ) - 続編の小説が消えました。すいませんです。また、新しい小説を考えております。その小説もよろしくお願いします。 (2013年4月9日 20時) (レス) id: 3d8198513a (このIDを非表示/違反報告)
猫村友衣歌(プロフ) - 幸福安心委員会好きです！ サボりん もウケましたｗ (2013年4月3日 20時) (レス) id: 6c9766218e (このIDを非表示/違反報告)
いるるん(プロフ) - ↓だっだっだっだっだっだっだっだっだだだ、大丈夫かぁああああああああ!! (2013年4月3日 20時) (レス) id: 4be41aa348 (このIDを非表示/違反報告)
いちゅ - ナ・ナンジャコリャー！↓↓ (2013年4月3日 20時) (レス) id: 8b3ba270dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きんぐ | 作成日時：2013年3月22日 17時
