18〜完〜 ページ18
『....土方さん...』
信じ難い話に、私はその名を呼ぶことしかできない。
「..だが俺ぁ...お前がどっかで..幸せに暮らしててくれりゃぁ、
それで良かった...惚れた女だからって...
今この手で..お前を幸せにしてやることなんてできねぇ...」
『...そんなことっ...
私だって...ずっと...土方さんをずっと_____』
土方さんの、優しさ故の発言に顔を上げる。
すると土方さんは、一人分空いていた私たちの距離を詰めて、
私を腕の中に、再び閉じ込めた。
「...分かってる...だから..何も言うな...」
更に腕の力を込めた土方さんは言う。
『...嫌です......好きなんです...
私は土方さんが...大好きです...』
ずっと言ってしまいたかった言葉。
私も土方さんの腰に、強く手を絡ませる。
「はぁ....A..いいか...?
俺はずっとお前の傍にいてやれねぇ...」
『...それでも...いいです..
土方さんが...私の生きる理由に...なってくれるんでしょう..?』
「..ん.....
だからお前も...俺の生きる理由になってくれねぇか...」
『...私なんかでいいんですか...』
「...お前以外考えられるかよ...
これ以上...お前の苦しんでるとこも...
無理に笑ってるとこも...見たかねぇ...」
『...っ...ひっく...っ..』
枯れるほど泣いたはずの涙が、また溢れる。
「...いつか真選組っつー組織が終わったり、
いつか俺がジジイになって、真選組を離れることになったり...
そんなのいつになるかわからねぇ...
だがそん時は...俺の隣で...笑っててほしんだ...」
『....っ..はい...っ..』
私が涙声で返事をすると、
土方さんは体を離し、両手を包み込んだ。
そして私たちは、真っ直ぐ見つめ合う。
「......好きだ」
そう言われたのと同時に、
土方さんの唇と私の唇が、重なった。
夕日はそれを見届けたかのように、沈んでいった。
END
終わり ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←17
34人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
てい(プロフ) - 夢嵐。さん» な、なんと...(T_T)!自己満足作品でも書いた甲斐があります...!夢嵐様の作品も覗きにいってみますね(^-^)/コメントありがとうございました! (2020年11月14日 4時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
夢嵐。 - 研究室の土方さん(x)を読んでから、ていさんの作品にどハマりしてしまいました。…新作待ってます!(私も嵐の小説書いてるので、よかったら見てください)←さりげなく宣伝(笑) (2020年11月14日 1時) (レス) id: af858c3285 (このIDを非表示/違反報告)
てい(プロフ) - 都さん» そう言って頂けて嬉しい限りです;_;ありがとうございます! (2020年9月29日 23時) (レス) id: 51fbc336c0 (このIDを非表示/違反報告)
都 - 完結おめでとうございます!面白かったです!キュンキュンしました! (2020年9月29日 17時) (レス) id: 89cdf63d52 (このIDを非表示/違反報告)
陽渚(プロフ) - 恋人とか友人は…完結おめでとうございます! (2020年9月1日 23時) (レス) id: 0a67e21c60 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:てい | 作成日時:2020年8月23日 7時