【銀魂】常連客のマヨラーさん【土方十四郎】

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『いらっしゃいませー..』



昼間は江戸の街の、とあるコンビニで働いている私。


それとは別に、居酒屋、スナック、夜の街にも繰り出す。




正体不明の重い病にかかってしまった父上、
毎日その介護に追われている母上、

私が何とか生活を支えるしかなかった。



『いつもありがとうございます』



そんな働き詰めの、代わり映えしない毎日を、
少しだけ、華やかにしてくれる常連のお客さん。


「...どーも」


真選組副長、土方十四郎。


世間では、鬼の副長とか何とか言われているけど、
私は、そんな風に一度も思ったことがない。



無駄に広い駐車場に落ちていた、空のペットボトルを拾って、
わざわざ店内のゴミ箱に捨てに来てくれた時は、
見た目とのギャップに驚いた。


店長不在の時、理不尽なクレーマーに戸惑っていると、
鬼のような形相で、追っ払ってくれたりもした。


.....あ、やっぱり鬼.....？

.....とにかく私は、優しい人だと、すぐに分かった。




そして、真っ直ぐで澄んだ瞳。

その瞳を見るたび、いつも思う。


”住む世界が違う人”



マヨネーズと煙草一箱の会計を終え、
出口へ向かうその人の横顔は、あまりに綺麗で、

その横顔を、密かに眺めるのが好きだった。


手なんか届きやしない、別世界に住むその人の姿を、

ただこうして見られるだけで、私の世界も少し明るくなる気がした。

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