疲労からくる風邪 ページ32
***
数日後＿＿＿
1日の仕事を終え、帰って玄関のドアを開けると
櫻井さんの靴が乱暴に脱ぎ散らかされていた
「珍しい...いつもキッチリ並べてるのに」
首を傾げながら靴を整え部屋にあがると
そっとリビングのドアを開けた
「ただいまー...」
リビングのソファーに俯せている櫻井さん
仕事用のリュックも背負ったままだった
「ちょ...櫻井さん、櫻井さんっ」
櫻「ん......A...？」
「うん、Aだよ
どうしたの？鞄も降ろさないで」
顔を横に向けた櫻井さんは
苦しそうな顔で私を見つめるとゆっくり口を開いた
櫻「...あたま、いたい」
「え...風邪？」
櫻「...ん......」
「とりあえず寝室に行こう
他に辛いところは？」
櫻「ねつっぽい...」
「うんわかった」
鞄を下ろし何とか起こして肩を組むと
寝室へ連れて行きベッドに寝かせて布団をかける
ここ最近忙しかったし疲労からきちゃったのかな...
体温計を口に入れ、急いで冷えピタなどを用意する
pipipipi......
「38.8度...結構あるね
いつから辛かったの？」
櫻「しごと、おわってから...いっきにきた」
「そっか...今日はもう寝な？」
櫻「...そばにいて」
「ふふ、もちろん笑」
熱のせいで舌ったらずで甘えん坊な櫻井さんに
キュンッとしながらも手を握った
櫻「スー...スー...」
「やっぱり疲れてたんだね...お疲れ様」
櫻井さんは明日休みだったはず...
ゆっくり休めそうだと静かに心を撫で下ろした
「んっ...」
リップ音を立て頬にキスを落とすと
額に冷えピタを貼って起こさないよう立ち上がった
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作者名：momoiro
| 作成日時：2021年3月31日 21時
