失敗 ページ29
「んん...」
櫻「A」
「ん...んー...?」
櫻「起きて、そろそろ仕事だろ?」
身体を揺さぶられゆっくり目を開けると
私に腕枕しながら優しく微笑む櫻井さん
「ふぁ......おはよぅ...」
櫻「ん、おはよ
添い寝のおかげでゆっくり眠れた?笑」
「コクコク」
櫻「ならよかった
さてと...ほんとに支度しないと間に合わないよ」
「は〜い...」
何とか身体を起こし支度をして朝ご飯を食べる
途中まで送ってもらい、シートベルトを外した
「ありがとう、行ってきます」
櫻「いってらっしゃい笑」
車を降り控室に繋がる廊下を1人で歩く
...今日のアフレコは少しだけ緊張する
珍しく潤くんとの2人だけのシーン
かなりシリアスで、失敗は許されない気すらしてる
「頑張らなきゃっ...」
***
監「もう一回」
監「違う、もう一回」
監「違う!」
...今日何度目かのカット
どんどん現場の空気が悪くなっていくのを感じる
「すみません...」
監「望月さんさ___」
何度やっても監督が納得いく形にすることができず
やればやるほど自分でもわからなくなっていった
監「じゃ、もう一回」
「はい...ごめんね、潤くん」
福「いいよいいよ笑
...俺は十分できてると思うんだけど」
「......ありがと」
ボソッと言った潤くんの言葉に泣きそうになるも
唇を噛みしめ、台本を持って再びマイクの前に立った
結局、OKをもらったのはそれから数十分後...
潤くんは次の仕事がギリギリになってしまったのか
お疲れ様!と言い、急いで現場を後にした
監「望月さん」
「ビクッ...は、はい」
監「次回は頼むよ」
「......はい、すみませんでした」
監督に頭を下げ鞄を持って控室を後にする
たくさん迷惑かけちゃった......
後で潤くんにも謝らなきゃな...
「っ...切り替えなきゃ」
私は廊下のど真ん中で深呼吸をすると
グッと涙を堪えて次の現場へと向かった
小D「潤?何か不機嫌じゃない?」
福「いやさっきさ___」
小D「...あぁ、あの監督さんか
厳しいところあるよね、俺も言われたことある」
福「十分できてると思うんだけどなー...
下野の時と同じ感じがして凄い嫌だった」
小D「大丈夫かな...?Aさん」
福「...凹んでなきゃいいけど」
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作者名:momoiro | 作成日時:2021年3月31日 21時