笑って【花霞】 ページ13
光希side
落知先輩はすぐに返事をしないのは、スキャンダル的なのも気にしているからだろうか?
俺はもう引退してるし、最悪男同士だから「仲良しなんです〜」で済ませられるし。
こう言う言い訳的なのができるから同性の関わり合いって楽なんだよなぁ。
『スキャンダル的なのはもう取られないと思いますよ。もし取られたとしても、まぁ、同性だからなんとかなりますよ!』
困った時は笑顔笑顔。笑顔は大事だって先生が言ってたもん。
笑顔でいれば相手も笑顔になるし、安心するし、自分も元気になってくる。まさに最強の魔法なのだ!!
「あー、じゃあ行かせてもらいます。会計しちゃいますね。」
『了解で〜す!もう暗いんで、早めに帰りましょ!』
落知先輩って学生時代からあんまり笑ってるイメージなかったけど、なんか、ホントにイメージ通りだな。俺には無いもの持ってるって感じで、普通に羨ましいし、尊敬する。
デザイン科で表彰されてたり、ユニットデザインも担当してたりしたな〜。充実してるように見えてたし、俺と違って天才肌。……まてまて、それ以上行くと羨ましいを超えて悪い感情に行きつく。やめよう。そこまで行ったらもう戻れない。
お互い会計を済ませて、コンビニから出て行く。俺はスマホを操作し、花霞ちゃんのスマホに母親からの電話がかかってきていないかを確認する。
全部ブロックされてはいるものの、50件以上連絡があることに呆れてしまう。もはや笑えてくるレベルだけども。その連絡も、歪んだ愛情も、全て届かないのはちょっと可哀想な気がする。しかし、先輩としては後輩が傷ついているところは見たく無いのだ。大体、金にしか興味ないような奴は人間以下だろう。俺は、そう思ってる。正しくはないだろうけど。
「そろそろ行きますよ。ヘルメットは絶対被ってください。バイクジャケットはお好きにどうぞ。」
『すみません、ボーとしちゃってて…。バイクとか初めてなんで、ちょっと怖いですね。』
バイクのヘルメットって絶対なんだっけ?たま〜に被らないで運転してる人もいるけど…それってやっぱりやばい奴なのかな?
ヘルメットはともかく、ジャケットは着てみると少し大きくて、俺って身長低いんだな〜って自覚する。見た感じだとそんなに身長差なさそうだったのに…なんか悲しい。
『じゃ、よろしくお願いしま〜す!』
俺の住んでるとこ、バイクの乗るほど遠くはない。とは言わず、バイクに乗せてもらった。
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