3.魔王サマに仕えます？【小説】

【勇者側】出会いは突然に。 ちくわ ページ5

「ふふ〜ん！今日はツイているなー。こんなにも賭けで儲かるなんて」

ウキウキと金貨の入った袋を抱える少女の名前はスノー・ドロップ。

先ほどまで賭け事をして儲けたらしくとてもご機嫌だ。

「なんだか良い事がありそうだなーって、ドワァッ！！！」

急に誰かとぶつかり、女の子らしからぬ声をあげる。

「何するのさ！私の大事なお金が〜」

「ああっ！すみません、考え事をしていて…」

やけに深刻そうな表情と声音にスノーも堪らず声をかける。

「どうしたんだい？そんなに暗い顔をして」

ぶつかった相手は、一瞬戸惑ったものの、少しずつ話し始めた。

「なるほどね。かつての親友と再会したけれど、その子は最近お騒がせの魔王軍にいて、しかも君の事を覚えていなかった訳か…」

「はい、それでこれからどうしようと考えていた最中に貴女とぶつかったんです。それで、良ければ私とその友達を探して欲しいのですが魔王討伐も一緒に」

なかなか難しいな。

その友達に会おうとしても魔王と出会ってしまう可能性もあるし、。

それに何と言っても

「報酬が出なきゃなぁ〜」

その呟きが聞こえたのか相手が更に続ける。

「お金ならちゃんと払いますよ！お願いです、頼めるのは貴女しかいないんです！」

「仕方ないな〜。それならこの私が人肌脱ぎますか！」

さあ！魔王討伐と友達探しをするぞー！

やっぱり、今日は良い日だ。


「因みに、君の名前は？私の名前はスノー・ドロップ。気軽にスノーって呼んでよ」

「私の名前はラナです。スノーさんこれからよろしくお願いしますね！」

「うんうん、まかせといて！」

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