【魔王側】さらば、愛しき日常:紫紺 ページ23
軋む木製の床、
しかれているマットレス、
レースのカーテン、
今は何も収納しておらず、役目を果たさないクローゼット、
もぬけの殻の、愛弟子の部屋。
部屋の持ち主である少女は、この時間まだ寝ている筈だったのだ。
芋虫のように丸くなり毛布で日の光を遮断し、光から逃げるようにベットから落下、ベットの下に避難する。
それを叩き起して朝飯を食べさせるのが、愛すべき日常の一つであったのだ。
…それも、今脆く崩れ去ったのだが。
見慣れないものが綺麗に畳まれてある毛布の壁に刺さっていた。
右の貼り紙は、近くの街。
鈍い光を放ち、左の貼り紙のど真ん中に刺さっている小型ナイフ。
刺されている貼り紙には幼子が描くようなお世辞にも上手いなんて言えない真っ黒の城、赤の旗
__その真下には「まおうじょう」と雑な字で書かれていた。
剥がして手に取ると、裏にざらついた感覚。
裏に引っくり返せば、子供のような見慣れた雑な文字。
『ピコがえらんだみちです、
さがさないほうが、みのためです。
さがさないで、ししょー。
ピコちゃんより。』
「_あんの…大馬鹿娘ッ…!」
硝子片が散らばり、歪な形となってしまった窓から風が吹いてきた。
これはそれぞれの戦いが起こる数刻前の出来事。
▼
そうだ、魔王さんのとこ出掛けよう。
考えたら、即行動!むずかしーの、考えたくないし!
あぁ、楽しみだなぁー
血濡れたマイスウィートベイビーこと、ナイフちゃんや弾丸さんが輝いている姿をはよ見たい。
魔王さんとこに入ったら、思う存分見れるんだから、今は我慢しよう!
「い゛っ、あ゛あ゛ッ!!
__俺の足がぁぁああッ!!!」
「…このガキッ!?魔王側か!?」
「こんな真似をして、勇者様が黙っていると思うなよ!」
そう思っていた時期が、あたしちゃんにもありました。
「おいちゃん達がさ、ハイパーやかまし過ぎるからだよー?
つい、やっちゃったじゃーんっ!にしし。」
街に魔王さん達が攻めてるらしい、だから立ち寄って『魔王さんの配下になりたいでーす!』って思ったんだけどさ、兵士のおいちゃん達が『危ないから』だの三人でベラベラ喋ってやかましいから、やっちゃったよ
でもさ
チョー絶キレーじゃない!?
やっぱり、銀色のナイフちゃんに鮮血って相性抜群なんだね!
よぉーく分かるよ!
「そーいう、言葉とかいーからさぁ
もっと!もっと!!
キレーな血、くーださいっ!」
ピコちゃん様は、そうして銃口をおいちゃん達に向けるのです!
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○マカロン少女●(プロフ) - 更新しました! (2019年1月11日 20時) (レス) id: f4775194ad (このIDを非表示/違反報告)
○マカロン少女●(プロフ) - 更新します! (2019年1月11日 20時) (レス) id: f4775194ad (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ○マカロン少女●さん» 了解です( ´∀`)こちらこそありがとうございます! (2018年3月3日 13時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
○マカロン少女●(プロフ) - モモハさん» わざわざお気遣い有難うございます(^^)もう大丈夫なので、テストが終わり次第更新させていただきたいと思います (2018年3月3日 11時) (レス) id: 922ef88d06 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ○マカロン少女●さん» 更新なさる際にお教えしますので、お伝えください! (2018年2月25日 18時) (レス) id: c93a555509 (このIDを非表示/違反報告)
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