178枚目 ページ45
｢……お金。｣
｢え？｣
旅館の一室、なんてことない蛍光灯に照らされた室内は、少しだけ特殊な雰囲気だ。
情報を吐け、吐かない。そんな問答を繰り返した後、ようやく言葉が変わったかと思えばそれだった。
白銀のお団子は少しぼさぼさになり、目にかかってきて嫌になる。何か言いたそうなイナリを目で制して、タマは折れずに洋国の妃に交渉する。
｢別に。情報に対価があるのは当然。私たちは、今の長に雇われてる。｣
目付きを鋭くして、相手の様子を伺う。
｢いくら払えるの。｣
｢そうね……A、いくら出しましょうか｣
｢んえっ｣
唐突にこちらに振られて不意を突かれたのか、カエルみたいに気持ち悪い声を上げるおっさん。顎をさすりつつ、周囲からの視線を受け止めた。
｢そうだなあ……今の3倍、とか｣
｢｢3000円もくれるの！？｣｣
(なんか、前もあったなこういうこと。え何、裏稼業ってそんな低賃金なの？ブラックかよ)
きらんと目を輝かせ、上半身を勢いよく起き上がらせた双子。色こそ違うけれど形と動きはまんまそっくりだ。表情筋は依然として働いて居ないものの、結構乗り気なのだろう。魔王はちょっと仰け反りながらもこくこくと頷いた。
興奮冷めやらぬ鼻息でタマはこくこくと頷く。
｢わかった、全部教える。なんでもする。｣
｢……今なんでもっつっ｣
｢ロンド、それは無粋な物言いだ。ではまずそうだな、服を゛っ｣
｢もおおおおロンドさあん！｣
｢ヤマト本ｯ当にアンタっ、アンタが喋るためにだらけんのよ黙ってなさいたわけもの！｣
ソフィがロンドにデコピン、アズマがヤマトに拳骨を食らわせると、それぞれ壁や畳にめり込んだ。ルイカが苦々しげに呟いた。
｢家臣の男の人たちは頼りないなあ……｣
｢女が元気な方が良いでしょう。下手に阿呆がふんぞり返ってるよりは｣
｢確かに｣
(ちらっと俺の方を向きながら言うのやめてくれませんかね。あーわかるこいつも弱そうだもんなみてえな哀れみの笑み向けないでくれませんかね)
肩を竦ませて目を背けると、イナリが居心地悪そうに身を揺すった。眉を下げ、壁から復活したロンドを見上げる。遠慮がちに開いた唇から、小さな嘆願が漏れた。
｢縄解いて……まどうし。｣
｢……ちょっと
｢エッ｣
いそいそと股間を抑え立ち去る彼を、女性陣は怪訝に、男性陣は納得したように見送った。
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モモハ(プロフ) - そらもちさん» あざーっす！アッもしかしたら中だるみなんでもないッス！てへ！(棒) (2019年4月28日 11時) (
レス) id: 98af2b3beb (このIDを非表示/違反報告)
そらもち - 面白いっすね！続編も読むぜよ(｀・ω・´) (2019年4月28日 10時) (レス) id: 35f31302c7 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ひかげのこさん» ありがとうございます！めっちゃ張り切ります(*´ω｀*) (2018年12月12日 17時) (レス) id: 0785378cec (このIDを非表示/違反報告)
ひかげのこ(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました！更新頑張って下さい！ (2018年12月12日 15時) (レス) id: 256366ff3c (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - 866さん» がんばります！(ﾃｽﾄｦﾔｯﾂｹﾀﾗ() (2018年10月8日 18時) (レス) id: 937a2c5722 (このIDを非表示/違反報告)
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