狛犬さんが流された8 ページ49
カロ「助けて…」
ジェハ「カロちゃん?」
僕は今、雨風が防げそうな林に腰を下ろし、たき火を着けようとしている。
しかし…困ったな。薪が雨によって湿ってしまった。これではつかないだろう。
僕の肩に乗っているイアルくんは気持ちよさげに寝息を立てている。僕の体温が高いからだ。
カロちゃんに少し、近づく。彼女は少し寒そうに身を縮めている。
たき火はできそうにない、か。
僕は、カロちゃんをそっと腕に抱く。足の傷に触らないように、ゆっくりと。
彼女はぐったりとしていて、体を僕に預けている。
いきなり、悲痛な声をあげる。
カロ「うあ…助け、て…!」
ジェハ「カロちゃん…」
腕の力を、強める。
カロちゃんに、こんな顔をさせたくない。
こんな、苦しそうな顔、させたくはない。
ジェハ「僕が、キミを」
助けるから。
―――――――――――――――――――――★☆★―――――――――――――――――――――
しばらくこのままでいると、カロちゃんの呼吸が安定してきた。
カロ「すぅ…すぅ…」
無垢な寝顔だ。いつも僕を罵る子と同一人物とは到底思えない。
僕はふっと苦笑する。
雨がだんだんと止んでくる。
空には、満月が輝いていた。
ジェハ「あ、カロちゃん」
人間になってる。
―――――なんなのだろう。
僕はカロちゃんの額に額を重ね合わせ、どっはぁぁぁ、と息をつく。
心臓がうるさいのは、きっと他の四龍やヨナちゃんたちが僕らを捜しているから。
頬が火照るのは、いろいろ大変な目に遭い、疲れているから。
額を重ねたのは、カロちゃんに熱がないか、確認しようと思ったから。
ほっとしたのは、仲間が無事だったから。
きっとそうだ。だって、
僕が今更、10も歳の離れた女の子に、恋患いなどするはずないのだから。
僕は静かに目を閉じた。
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モモハ(プロフ) - はい!ありがとうございます!コメ欄でニヤニヤしてます!モフモフシンア了解しました! (2017年4月6日 23時) (レス) id: bc42b5b1a5 (このIDを非表示/違反報告)
塊葉(プロフ) - ニヤニヤしながら見させてもらっています!オチはモフモフシンアでお願いします! (2017年4月6日 23時) (レス) id: 5406e628f6 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - あ、あ、あ、ありがとうございます!!フニャフニャな作品ではありますがこれからもよろしくお願いします!了解です! (2017年4月6日 0時) (レス) id: bc42b5b1a5 (このIDを非表示/違反報告)
祢々子(プロフ) - 更新頑張ってください。シンア落ちでお願いします! (2017年4月6日 0時) (レス) id: 5406e628f6 (このIDを非表示/違反報告)
モモハ(プロフ) - ありがとうございます!わかりました! (2017年4月5日 22時) (レス) id: bc42b5b1a5 (このIDを非表示/違反報告)
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