恋は何歳まで出来ますか？

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「別にいいんじゃない？付き合えば」


止まっていた箸を進め、二階堂は言った。
宮田も手を伸ばし、やっと冷めきったアジフライを口に運ぶ。


「…そんな簡単に...」
「どうせさ。裕太くん、本気じゃないでしょ。どうせすぐ飽きるよ。社会勉強の一環だとして付き合ってあげればいいじゃん。大人として教えてあげれば？」
「…考え方によっちゃそうなんだけど。」


別に、簡単に付き合ってしまえばいい。
どうせ飽きられる。こんなにも年の差があるのだから。


「でも、ガヤさんたちの子にそんな事できないよ」
「…ガヤたちの子じゃなかったら出来るんかいっ」


アジフライには、ソースが染みて少しネチョッとしていた。



「…まあ、ね。裕太くん可愛いし」
「じゃあ、問題ないんじゃない？宮田だって離婚してる訳だし、裕太くんがそう求めるならさ」
「いや、断る。やっぱりダメだ」



問題は大ありだ。
友達の子。年の差、同性。相手はアイドル。
むしろ、弊害しかない。
相談したくせに、もう答えは決まってる。
断るんだ。



「別にいいじゃん。真面目だねぇ。宮田は。」



唇を尖らせながら、そう言う二階堂に宮田はいつもの笑顔を返す。
宮田は二階堂に否定されなかったことについては、内心驚いていた。
友達の子に手を出すことには、賛成しないと思っていたから。



＊



「…なのに、何でこうなったんだ、」
「…んっ、宮田、もう一回したい...」




断ったメッセージの返事に、『会ってくれなきゃ、昨日のこと父さんにチクる』と脅され、結局二人きりで会って、そのままホテルに連れ込まれた。
…普通逆じゃないの、これ？


流されるがまま流された俺は、またしても裕太くんを抱いてしまったのだ。
それに、ベッドで息を整えている裕太くんのお強請りにはもう抗えなかった。
ニカにカッコ良く宣言したあの時の自分を殴ってやりたい。



「…宮田、オレら付き合ってるんだよね？」
「…え、」
「…え、付き合ってもないのに、えっちするような奴なの？」
「…それは、」
「父さんにチクってやる」
「………」
「オレら付き合ってるんでいいんだよね？」
「………はい」



流れに流され既成事実を作ってしまった俺は、その脅しに頷くしかできなかった。
でも、「やったあ♡」と可愛く腕に抱きついてくる裕太くんを見て、まあいいか。っと思ってしまったのは事実。
可愛かった。本当に。
君が飽きるまで、大人として責任を、と。

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