未来を変えろ！【後編】

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「…でも、何でそれを私に…？」
「言ったでしょ？協力するって。ガヤさんを幸せにできるのはマイコ先輩じゃない。みつちゃんのこと話してた時のガヤさんの方が何ていうか楽しそうだったから」
「…藤ヶ谷くん私のこと話してくれていたの？」



初めて知った事実に宏光は動揺してしまう。
自分のことを誰かに話してくれているとは思ってもみなかったし、その事がこんなにも嬉しいことだとも思わなかった。



「話してたよ。ガヤさん。いつも幸せそうに。北山はどんな時も真っ直ぐ気持ちを伝えてくれるんだーって」



宮田が満面の笑みで宏光にそう言った。




「…ありがとう。今の聞けただけで元気でた。」



そう思っていてくれたことが嬉しい。そして、藤ヶ谷くんとマイコ先輩が付き合っていないという事実に何よりも安堵した。
だけど藤ヶ谷くんの気持ちを弄んでいるように思えてしまう先輩には腹が立ったり色々な感情が交錯する。



「もう少しだけ頑張ってみたらどうかな？ガヤさん、多分今分かんないだと思う。先輩のことを好きだと思いこんでる気がする」



頑張る方法がもうわからない。
でも、まだ望みがあるのであれば頑張るしかない。いや、例え…望みがなくとも、頑張りたい。



「宮田くん、ありがとう。頑張ってみる！」



宏光は久しぶりに心が軽くなった気がした。
好きなのに気持ちを抑え込んでいた自分に戻るのはもう嫌だ。



やっぱり伝え続けたい。


"だいすきです"と。


自分のために…
自分の幸せのため…


でも…！


裕太のために………！


裕太を藤ヶ谷 裕太として、この世界に迎え入れたいから。



「あ、宮田くん、花もうすぐ誕生日じゃない？何かサプライズの計画立ててる？」
「おー！待ってました！その話も相談したかったんだよね。実はね〜」


そこからは宮田の限りない花への想いを聞き、サプライズ内容に宏光は爆笑するしかなかった。
だけど、ここまで愛されている花が羨ましくもあった。
宏光はもちろん誰とも付き合ったことが無かったので、好き合う幸せ…想い合う幸せを経験したことがなかった。




「そのサプライズは斬新だわ…」



宏光が感心すると、宮田はドヤ顔をしつつも満面の笑みで



「花ちゃんから、また惚気を聞けますな〜」



と言いながらウキウキしていた。
花から聞くのは、いつも呆れてばかりの話だけど。でもその言葉の裏側はやはり惚気なんだろう。


「楽しみにしてます」


そう言って宏光も嬉しくなって笑った。

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