第九十五話 ページ5
「俺はそうは思わねーけどな」
『…』
「お前はもっと自分に自信を持ったほうが良いと思うぞ」
『…自信なんて……ぁ、』
彼の言葉に少しはっとする
「ん？どうした？」
口から溢れた私の小さな言葉にリボーンさんが反応した
『いえ…その、ラルさんが最後に言ったんです、“自分に何が足りないのか考えろ”と
もしかしたら私に足りないものって自信を持つことなんですか…？』
私の問いに少し沈黙した後、リボーンさんはニヒルに笑った
その笑顔の真意がわからなくて困惑する
「さーな、答えはわからねーが風間がそう思うんならそうなんじゃねーか？」
『えぇ…そんな投げやりな…』
「俺も家庭教師だからな、簡単に答えは教えらんねー」
『う……、………その……、少しは信じてみるべきでしょうか、自分のこと』
悩みながらリボーンさんに問う
「あぁ、自分も信じれねーやつに他人を信じることなんてできねーぞ
お前がツナたちを信じるように自分のことを信じてやれ
それとさっき言ってた“みんなが遠ざかってしまうかもしれない”も俺はありえねーと思うぞ」
『え…ど、どうしてですか…？』
また笑う
「お前が思ってるほど人の繋がりは脆くねーぞ
例え今日の戦いで風間が負けたとしても棄権したとしても
責めるやつはいないと思うぞ
むしろどっちつかずの状態で中途半端にふらふらしてるほうがアイツらは鬱陶しいと思うかもな」
『そ、うでしょうか、今の私のほうが…』
ずっと一人でいた私に誰かの感情を推量するは難しいけれど
彼が言うのならそういうものなのだろう
『…どんな結果になっても、みなさん一緒にいてくれるでしょうか』
「あぁ…どんな失敗したってアイツらはお前の隣にいる、それがファミリーってもんだ」
『…』
“君も俺の大切な仲間の一人だよ！”
昨日の沢田さんの言葉を思い出し噛み締める
あんな言葉をくれたのは彼が初めてだった
病室に差し込んだ夕日のように彼が私にくれる言葉はいつも温かい
少しの沈黙の後、意を決して口を開く
『リボーンさん……私、出ます今日の争奪戦…』
「そうか…んじゃこれ渡しとくな」
そう言って黒いアタッシュケースを私に渡す
『こ、これなんですか？それにいままでどこにしまって…』
「ラルからの届け物だ、開けてみろ」
『あ、はい』
疑問をスルーされたことに若干の戸惑いを感じながらケースを開いた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
