第百十七話 ページ27
『…』
乾いた目に映るのは白い天井
(ここ…、…病院、でしょうか…)
まばたきを何度か繰り返して、ぼんやりとしていた視界がはっきりしてくる
窓の外には青空が広がり、日光が室内に差し込んでいる
(朝？…、…そうです！争奪戦は？！あれから何日経ったんですか？！)
体を勢いよく起こす
『───い゛っ！！つぅ…！！』
肩に激痛が走る
その痛みに悶えていると扉の向こうから、慌ただしい足音とときどき何かにぶつかる音が聞こえてきた
「目が覚めたか！っていって！」
『ぁ、え…ディーノさん？！だ、大丈夫ですか？』
「あ、あぁ…平気だ」
扉を開くと同時に派手な転び方をしたディーノさんがほこりを払いながら笑う
ドア越しに聞こえた足音の正体はどうやら彼らしい
何故かとこどころにかすり傷がある
「…よかった、意識もはっきりしてるみたいだな
肩はまだ痛むか？」
『あっ、はい…肩はまだ痛いです…ってそんなことより！
争奪戦はどうなったんですか？！』
今はそっちの方が大事です！！
「まーまー落ち着け、リングはゲットできたし戦った山本も無事だ」
『よ、よかったぁ…』
安心のあまり情けない声がでてしまう
ディーノさんはそんな私の頭を少し雑に撫でまわす
その行動にふと先日の晩に起きたことを思い出した
『あ、あの昨日か一昨日の夜に、その誰か来ませんでしたか…？』
「いや、特に誰も…ん？あれ…そういや…」
『？？』
思ったよりも曖昧な返しに頭にハテナが浮かぶ
(まぁ、ディーノさんも色々忙しいと思いますし
誰が来たかなんていちいちおぼえてないですよね…)
多分男の人だったと思うんですが…
「おっ、もう目が覚めたのか」
少しして今度は、ディーノさんの部下らしき人が入ってきた
「ロマーリオ、何しに来たんだ？」
「何って、おっちょこちょいのボスの代わりに嬢ちゃんの怪我を診に来たんだよ」
(おっちょこちょい？ディーノさんがですか？)
全然イメージと結びつかないですけど…
二人は一言二言話すとディーノさんの方は出て行ってしまった
ロマーリオさんはベッドに腰をおろし私の肩を診察し始める
(あれ、これは初対面の方とふたりっきりでは？！)
あ、あわ…ど、どうしましょう…
色んな人と関わりを持ち始めて約一年ほどになるのに…
いつまでたっても、慣れません…
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るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
