第百十三話 ページ23
「っ、風間さん！！」
薄暗くなったモニターでもわかる
銃は弾かれ、今にも短剣が振り下ろされようとしている
終わりだ
誰もが風間さんの負けを確信すると同時に彼女に訪れるだろう死に絶望する
(友達が、仲間が死ぬとこなんて俺はっ、見たくない！)
目を塞ごうとした
それを小さな手が止める
「大丈夫だツナ、ちゃんと見てろ」
「っリボーン…？」
フィールドから発砲音が一つ
顔を上げ、モニターへ目を向ける
「っあ！」
そこに倒れていたのは風間さんではなく、リリムだった
「な、言ったろ」
「でも、なんで…銃は全部…」
そうだ、弾かれたはずの二つの拳銃は別々の場所に落ちている
けれど彼女の手にはもう一つ別の銃が握られていた
「風間が持ってきた拳銃は元々、二丁じゃなくて三丁だったんだ
最後の一つは背中に隠してたんだな」
「っそ、そーだったんだ…、…良かったぁー…」
「ボスがそんな腑抜けた声出してんじゃねー」
「いって！」
「…あいつはな、お前らが思っている以上にしたたかな女だぞ」
そう言ってリボーンはいつものニヒルな笑みを浮かべた
でもその笑顔はどこか安堵しているように見えた
「ってことは、これで…」
「首の皮一枚つながったな！！」
「極限に良くやったぞ！風間！！」
「ちっ、果たすのはまた今度にしてやらぁ」
思い思いの言葉を口にする俺たち
後は彼女が帰ってくるのを待つだけだ
「うっそー、リリムが負けんの？」
「…どうするんだいボス、リリムはヴァリアーといえど元々はただの犯罪者だよ」
「…」
＊
『っはぁー、腰抜けそうです…』
他の二つより少しボロボロの銃を見て微笑む
(勝手に持ち出したの、怒られますかね…)
ラルさんが日本から発つ前に修行で使ったものを一丁だけくすねたのだ
とりあえず一発殴られる覚悟はしておきましょう
ちらりとリリムさんの方を見る
「…」
目の前で眠る彼に念の為、警戒しながら近づき様子を見る
(寝顔が、かわいい…)
あっ、そうではなくて
『…ん、大丈夫そうですね』
脈を測ってただ気絶しているだけなのを確認する
リングをポケットから取り出し出口へと向かう
(今、帰りますから…)
くぼみにリングをはめようとしたその時
フィールドに複数の発砲音が鳴り響いた
銃声ではない、何かもっと別の
狙いは私じゃない…ということは
『っ！リリムさん！！』
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るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
