第百十二話 ページ22
『…っ』
(頭痛くなってきました…目も渇いて、視界も霞んできた…)
でもダメです、集中を切らしては
…私が彼なら次に、どこを狙うでしょう
標的を逃さず、生かした状態で動けないようにするには
逃げる手段を無くす為の足、銃を撃たせないための左肩、左腕…
急所は絶対に狙わない
『…四発目』
さっき肩を撃たれた時に見た、彼の使う銃は回転式拳銃だ
あの見た目なら装填数は五、六発…多くて七、八発
その弾が無くなったそのとき
それが決着をつける最大のチャンスだ
(この弾を、頭に撃てば確実に…)
ラルさんが特別にくださったこの弾丸は金属や、プラスチックなどを撃てば貫通するようにできているが
皮膚などの柔らかい物質に当たるとは弾丸の威力がゴム弾ほどまで下がる
だから体は突き破らず、感覚神経などを麻痺させるだけ
これほど私にあった弾はないだろう
『六発…っまだ！』
焦らないで、見極めるのです
予測が外れても銃弾はまだ見切れる
『七発目っ！』
彼が銃を捨てた
(今です！)
彼の額を目掛けて引き金を引く
「仕留めた」そう思った瞬間
鳴るはずのない金属音が響き渡る
「残念、ハズレ」
『っ！』
彼の手には短剣が握られている
(弾いたんですねっ…、私と同じように、それも短剣で)
素早く身軽にガラスを避けながらこちらへと向かってくる
彼の足を狙って撃つも、それすらも避けられる
(─っ！いつの間にこんな近くに！！)
一気に距離を詰めてきた彼の顔にはもう笑顔はない
強い殺意を込めた眼差し
「よっと」
『あっ！！』
左手に握っていた銃が蹴り上げられ、空中に舞う
『ぐっ…！！』
銃を蹴り飛ばすとすぐに体制を変え、私に回し蹴りをする
背中から倒れ、痛む体を無理やり起こす
しかし、目の前にはすでに短剣を手にしたリリムさんが立っていた
「おーわり」
上から短剣が振り下ろされる
《風間さん！！》
雑音が入り混じった機械的な音声だけどはっきりわかる
沢田さんの声だ
(…こんな風に私の名前を呼んでくれるなんて、あなたは…本当に…)
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るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
