第九十三話 ページ3
『…お二人とも私なんかのためにありがとうございます』
私の言葉にポカンとする二人、しかしすぐにいつものように笑う
「やっと笑ってくれたね」
「はい、やっぱりAちゃんの笑顔はベリーベリーキュートです！」
『あ…そのすみません、暗い顔ばっかりしてて…』
(結局、お二人に気を使わせてしまっていたんですね…)
「あ！もーすぐブルーになっちゃダメですよ！！」
ハルさんはそう言うと私の脇腹へと手を伸ばした
「ふっふっふー、Aちゃんが脇が弱いことはリサーチ済みですよ！」
『ひゃわっ！ちょっ…！！きょ、京子さ、助けてください！』
「ふふ、脇が弱点なんだ、良いこと知っちゃた♪」
『えっ、ひぎゃっ！！』
京子さんに助けを求めるも、その願いは儚く散る
(きょ、京子さんて案外お茶目です！！！)
その後、数分間のくすぐり地獄を終え床に膝をつきながら息を整える
『はあ…、はあ…つ、疲れましたぁ』
「あはは、ちょっとやりすぎちゃったかな？」
少し申し訳なさそうな顔をして手を差し伸べる京子さん
「どうですかAちゃん、元気出ましたか？」
『…はい！おかげさまでさっきより大分マシになりました』
取り繕うように笑みを浮かべる
これ以上彼女たちに余計な心配をかけたくない
「そっか、元気出て良かった！！大会頑張ってね！」
「ファイトです！終わったらお祝いしましょー！」
『もちろんです！その時はランボさんも一緒に』
こんなに騒がしくしていても一向に目を覚まさない彼を見る
「早く良くなるといいですね…ランボちゃん」
「大丈夫だよ、傷もほとんど治ってるみたいだし
じゃあAちゃん、私たちそろそろ帰るね」
『あ…はい、お気をつけて！』
「さっきのお祝い約束ですからね！忘れちゃダメですよー！」
『はい！約束です』
二人の顔が見えなくなるまで手を振り返す
ドアが閉まると同時に上げていた口角を下げた
「こんなところにいたのか、探したぞ風間」
『！リボーンさん…』
息つく間もなく次の来訪者が現れる
彼は身軽な動きで窓から病室に入ってきた
「お前どーすんだ今日の戦い」
『あ、それは…そのまだ…』
京子さんたちにはああ言ったものの、未だ答えは決まっていない
「…風間、今日の争奪戦に負けるのがそんなにこえーか？」
リボーンさんの問いに少し逡巡してから頷く
「何でだ」
『……怖いんです、失うのが』
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るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
