第百十話 ページ20
自分の状況を整理する
まずホルスターにしまっていた銃の一つはさっきのリリムさんに刺されたときに見失ってしまった
今探しにいくのは不可能だろう
それにこの手と肩では二丁の拳銃を扱うことはできない
けれど弾丸は沢山ある、弾切れすることはないはず
コンクリートの壁に触れる
『…よし！』
希望が見えてきた
＊
「…そろそろいーかな」
手のひらを繰り返し開いたり閉じたりする
体の感覚が完全に戻ってきたことを確認して立ち上がる
「…何がお返しだ、腹立つなー」
ボロボロのくせに、それでも覚悟を決めた顔で引き金を引いた彼女の姿が頭を過ぎる
(本当にイライラするな、あの目…)
やっぱあの時抉っとくんだった
(まっどーせ、この戦闘が終わればボクは…、！)
次々に鳴り響く機械音と発砲音が風音を切って鳴り響く
「故障じゃない？…、…？！あっぶな！」
突然、上からデカい何かが落ちてきた
それはコンクリの壁とぶつかり合い、壁は硬そうな見た目に反して簡単に崩れ去った
「照明が落ちてきたのか…はっ、なるほどねー」
あの女か
「普通フィールド壊すかなー、ほんと人は見かけによらない」
次々に落ちてくる部品やらを避ける
脆い壁はどんどん壊れていく
照明がいくつか壊れたせいでフィールド内が薄暗い
「っ！装置まで壊してんのかよ…」
ガラスの刃が強風によって更に速く、そして故障のせいで前より比にならない量で飛んでくる
(視界が悪いなー…銃もこの状況じゃ百発百中って訳にはいかないし)
ほとんど中央の壁は半壊しているが、強風と大量のガラスが視界を遮る
更に厄介なことにガラスが壊されていない照明の光を浴びて反射し、視界の邪魔をする
(ここまで計算の内か？…いや、まさかね)
「おっ、いた」
薄暗いが人影がはっきりと見える、位置はそう遠くない
「棒立ちとか…、舐められてるなーボク」
(殺すと後からうるさそーだから、取り敢えず)
足を目掛けて引き金を引いた
銃で動けないようにしてから短剣でまた地面に縫い付けよう
そんな考えを嘲笑うように金属と金属がぶつかり合う音がした
「っは？」
もう一発
「…」
次は二発
「っ…なるほどなー」
(アイツ、ボクの狙う場所を予測してんな…)
それを持ち前の視力で軌道を見極め銃弾を弾いてる訳だ
「はー、やりずらー…」
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るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
