第百六話 ページ16
今度はすぐに短剣を抜く
どこかで沢田さんの声がした気がしたけれど、それを気にかける余裕も無かった
赤く光るそれを手でくるくると回しながらご機嫌な声で彼は話す
「楽しみだなー、何回まで耐えられるかなー
この前やった時は20回いかなかったからそれを超えられるといいなー」
屈託のない笑顔で私に語りかける
「あっ、そっか何のことかわかんないか
これはね、キミがどれくらい我慢できるかのゲームなの
Aちゃんが首を縦に振るまでボクがコレで君の体に刺し続ける」
「楽しそうでしょ？」
そういって首をかしげる彼は無邪気に笑った
怖くて何も言えない、ただ今すぐ逃げろという警告のみが頭に鳴り響く
「あっ、逃げるのはナシね、動いたら次はその口に突き刺すから」
体が、恐怖で固まる
彼は本気だ
本気で今から私を痛ぶるつもりだ
(…し、死ぬんですか…？私、これから？)
逃げ出す算段など考えられない
目前に迫る死が私の頭を覆い尽くす
「さーてと次はどこにしよっかなー
左手かな？それとも同じ場所がいい？
迷うなぁー…、…あっ！」
『…？』
小さい子が新しい遊びを見つけたような顔で言う
「目にしよう！
だって風の守護者の目ってトクベツなんでしょ？
そんな風の守護者の象徴が無くなったらボンゴレの連中はどんな顔するんだろう！
ね！Aちゃんも気になるでしょ？！」
名案だと言わんばかりの輝いた笑顔を私に向ける
目の前ではしゃぐ彼は本当にさっきまで私と話していた彼なのか
あまりにも無邪気なその顔はまるで子供のようだった
急に顔を掴まれる
「ふふ、本当にキレーな瞳をしてるね
…近くで見ると本物の星空みたい」
『っ？！』
私の目を覗き込みながら彼はそう言った
「ボク知ってるんだー、Aちゃんのヒミツ」
耳元で囁かれる
『なっ、何で…どうして？！』
さっきまでの恐怖も忘れて思わず声を荒らげる
(何で、どうしてこの人が知ってるんですか？！)
私と母以外は誰も知らないはずなのに…ハッタリ？
…そんなはずはない、彼は今、はっきりと「星空みたい」と言ったのだから
「何で知ってるかはナーイショ
…んー、でもそうだなぁ
もし目を抉った後もキミが生きてたら教えたげる」
＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・＊・
すいません、溢れる創作意欲に耐えられなくて更新しました
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るるぶ(プロフ) - まおさん» ご指摘ありがとうございます。気づくのが大変遅くなり申し訳ございませんm(._.)m (8月18日 23時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
まお - 百二十二話がないですよ (6月29日 17時) (レス) id: afad3f7130 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2022年1月3日 0時
