第１８３話 ページ42
わだかまりが残ったまま、屋上の扉を開ける
日も沈んで薄暗くなった廊下を一人で歩く
カバンを探しに、とりあえず保健室へと向かう
そこまでの道中、人の気配が全くしないことを不信に思った
普段ならまだ部活の片付けで残る生徒や見回りの教師がいるはずなのに
大空戦があることと何か関係しているのだろうか
そんなことを考えながら歩いているといつの間にか目的地にたどり着いていた
(シャマル先生は…いませんよね…？)
さっきのといい二人きりになるのは抵抗があります
怪我人にこんなこと思うのは失礼かもしれませんが…
電気をつけて、部屋を明るくする
きょろきょろと目を動かすこともなくカバンはすぐに見つかった
きっと京子さん達が持ってきてくれたのでしょう
ありがたいです
お礼のメールでもしようかと思いカバンの中から携帯を取り出す
そのとき、ふと外ポケットに見慣れないものが入っているのに気づく
取り出してみるとそれにくっついていたメモ用紙が落ちた
『これは…』
薄ピンクの紙には京子さんのものと思われる字で
“みんなで作ったの！気に入ってくれると嬉しいな。”
と書かれていた
もう片方の手に握られたそれを見る
『お守り…』
白地に青字で「安全」、「必勝」と縫われている
そして二文字の間には可愛らしいしおりの刺繍が施されていた
お守りを包み込むように持ったまま胸に手を当てる
自然と頬が緩んでいくのがわかる
(嬉しい)
きっと夜の争奪戦での安全を思ってくれてのことですよね…
ああ…私は何て幸せ者なんでしょう
こんな素敵な人達が周りにいて
本当に恵まれている
目尻に滲んだ涙を拭う
傷つかないようそっとお守りをポケットにしまった
その瞬間、背後に人の気配を察知する
『…何のご用でしょうか』
体勢は変えず首だけ傾けて振り返る
ピンクの髪に目元だけ黒の仮面で隠された華奢な女性
チェルベッロ機関の一人が、そこにいた
「大空戦は今夜、十一時にここで行われます
守護者の一員であるからには必ず来るようにしてください」
『っ…』
「それでは」
それだけ伝えると彼女はすぐ消えていった
『…そうですよね』
緩んだ頬をぱしりと叩く
喜びで浮かれていた心に緊張感を持たせる
『気を引き締めないと』
あの穏やかで平凡な日常を取り戻すために
大切な人達を守るために
この恐ろしい戦いに終止符を打つのだ
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るるぶ(プロフ) - yuiさん» yuiさんコメントありがとうございます！励みになります！！更新は不定期な上に超遅くて申し訳ないのですが、待っていただけると嬉しいです。これからも本作品をよろしくお願いします＾＾ (3月25日 12時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - おもしろい！続きが気になる！ (3月25日 2時) (レス) @page37 id: a5bc97457e (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさんコメントありがとうございます！！稚拙な文章ですが楽しんで頂けて何よりです！これからもちまちまたらたら更新で申し訳ないのですが、気長に待っていただけると幸いです＾＾ (2月25日 1時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！ (2月15日 13時) (レス) id: e62345f358 (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - 優波さん» うおおお！！優波さん嬉しいコメントありがとうございます！今月はテスト期間でめちゃくちゃ忙しいので更新は来月になってしまいますが、気長に待ってくれると幸いです〜！！ (1月14日 12時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2023年3月24日 18時
