第１８１話 ページ40
屋上に続く階段を上り、入り口の取っ手に手をかける
重々しい扉を開くと軽やかな風が頬を撫ぜた
後ろにいた雲雀さんが私を追い越して、フェンスの方へと向かう
自然と放された手に妙な寂しさを感じた
けれどそんな感覚は、目の前に広がる景色によって払拭される
朱を含んだ薄紫色の雲に覆われた水色の空
そして遠くの方で照り輝くオレンジ色の夕日
『わぁ…』
感動で思わず声がもれてしまう
見えない何かに引っ張られるような
そんな足取りでほとんど無意識にフェンスに近づく
(図書室から見る夕暮れとは全然違いますね…)
やっぱり開放感があるからでしょうか、外の方が迫力を感じると言いますか…
それに窓ガラスがない分より鮮明に見えますね
景色を見るために来たわけではないのですが、見れて良かったです
『…』
…そういえば雲雀さんの様子はどうなんでしょう
本来の目的は彼の怒りを逸らすためでしたが…
顔を少し傾けて隣にいる雲雀さんの様子をうかがう
鋭い殺気は収まっていて表情も先程よりは穏やかに見えた
(大丈夫そうですね…)
心の中でほっと胸をなで下ろす
あの強引で頓珍漢な言い分でも目的が果たせたのなら良かった
意外となんとかなるものですね
ふと、夕暮れを眺める雲雀さんを見つめる
オレンジ色の夕日に照らされた濡羽色の髪と瞳
強い光によっていつも以上に立体感の増した綺麗な横顔
…正直、秋の夕暮れよりも引きつけられる
イケメン、というより美人ですよね…
すれ違った人全員が振り向きますよ
…最強で最恐の風紀委員長だと知らなければ、という話ではありますが
(…私、そんな彼と昨日…)
無意識の内に視線が口の方へ動く
普段の桜色が橙に塗りつぶされた形の良い唇
否が応でも昨晩の出来事を思い出してしまう
顔に熱が集まってくるのがわかる
きっと今の私の顔は夕日でごまかせないくらい赤いのだろう
雲雀さんがあまりにもブチ切れているものだから
その恐怖でさっきまでは気にならなかったですけど…
昨日、私…！！！
し、しかも、手！手まで握ってしまって…！！
『あああっ！！』
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るるぶ(プロフ) - yuiさん» yuiさんコメントありがとうございます！励みになります！！更新は不定期な上に超遅くて申し訳ないのですが、待っていただけると嬉しいです。これからも本作品をよろしくお願いします＾＾ (3月25日 12時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - おもしろい！続きが気になる！ (3月25日 2時) (レス) @page37 id: a5bc97457e (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさんコメントありがとうございます！！稚拙な文章ですが楽しんで頂けて何よりです！これからもちまちまたらたら更新で申し訳ないのですが、気長に待っていただけると幸いです＾＾ (2月25日 1時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！ (2月15日 13時) (レス) id: e62345f358 (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - 優波さん» うおおお！！優波さん嬉しいコメントありがとうございます！今月はテスト期間でめちゃくちゃ忙しいので更新は来月になってしまいますが、気長に待ってくれると幸いです〜！！ (1月14日 12時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2023年3月24日 18時
