第１７０話 ページ28
「何を理由にそんな考えに至ったかは知らないけど、この傷ができたのは僕のミスであって君は関係ない
それとも何？
君は僕が自分の過失を他人のせいにするような人間だとでも言いたいの？」
捲し立てるような早口でそう言われて、気圧される
あまりの圧に声を出すことができなくて必死で首を横に振った
「そう…なら、そうやって勝手な妄想で必要のない罪悪感を抱くのはやめてくれる
不愉快だ」
そして雲雀さんは私から顔を背けると、また口を開いた
「これ、早く終わらせて」
彼の視線が自らの傷へと向けられた
『…あっ、はい！直ちに！』
止めていた手を動かす
(不愉快…)
先ほどの吐き捨てるように言われた最後の一言が頭に浮かんだ
その言葉はぐるぐると私の頭の中を駆け巡る
手当ての間も、片付けをしている最中も、すべて終わった後でさえも
そのたった一言が頭から離れなかった
(私が悪い)
それはわかっています
私が彼を馬鹿にしたようなことを言ってしまったのだから
でも、でも何ででしょうか…
痛いような、苦しいような感覚が心臓を中心に広がっていく
人生で他人に蔑まれることなんて沢山あったのに
彼の物言いが普段から刺々しいのはわかっているはずなのに
(どうして、今の言葉を聞くとこんなに寂しく感じるのでしょう…)
「…君、いつまでいる気」
『はっ…』
雲雀さんの苛立ちを含んだ声を聞いてようやく我に返る
(しまった…長居してしまいました、あの雲雀さんの家に…)
不躾を理由に咬み殺される…
しかも私の発言のせいで今はすごく機嫌悪い…
自分の悲惨な姿が脳内に浮かんだ
(出て行かなくては！今すぐに！！)
恐怖に身震いしながら上着を着て、靴を履く
『すっ、すぐに帰ります！や、夜分遅くまで失礼しました！！』
一礼して逃げるようにして家を出て行こうとした
しかし
「待て」
その声を聞いて戸を開けようとしていた手を止めた
『な、なんでしょう？』
ま、まさかこのまま生きて帰さない的なあれですか
やっぱり私があんな馬鹿なことを言ってしまったから…
(ああ…あんなこと言うべきではなかったんです…！！)
これから訪れるであろう恐怖に怯えながら、汗の滲む両手を祈るように握る
もうどうにでもなれ、そう覚悟した時だった
「送る」
『…へ？』
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るるぶ(プロフ) - yuiさん» yuiさんコメントありがとうございます！励みになります！！更新は不定期な上に超遅くて申し訳ないのですが、待っていただけると嬉しいです。これからも本作品をよろしくお願いします＾＾ (3月25日 12時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - おもしろい！続きが気になる！ (3月25日 2時) (レス) @page37 id: a5bc97457e (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさんコメントありがとうございます！！稚拙な文章ですが楽しんで頂けて何よりです！これからもちまちまたらたら更新で申し訳ないのですが、気長に待っていただけると幸いです＾＾ (2月25日 1時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！ (2月15日 13時) (レス) id: e62345f358 (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - 優波さん» うおおお！！優波さん嬉しいコメントありがとうございます！今月はテスト期間でめちゃくちゃ忙しいので更新は来月になってしまいますが、気長に待ってくれると幸いです〜！！ (1月14日 12時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2023年3月24日 18時
