第１６９話 ページ27
『し、失礼します…』
なるべく機嫌を損ねないよう最大限に気をつかって彼の側に座る
雲雀さんは手当てしやすいように配慮してくれているのか
左足は伸ばした状態で座ってくれている
(こういう気遣いはできる人なんですよね…)
今日だって私の怪我について聞いてきましたし、怖いだけの人ではないのでしょうか…
でもそれができるなら学校を暴力支配しないで欲しいものです
彼に鉄槌を下された人達が廊下に転がっているのを見て何度悲鳴をあげそうになったことか…
思わずため息をつきそうになったが、近くから突き刺さる視線に気づきとっさに口を覆う
いつまでも傷と睨めっこしたまま動かない私に雲雀さんが「早くしろ」という視線を向けていた
その鋭い眼差しに気圧され焦った手つきで救急箱を開ける
包帯や消毒液、塗り薬などの必要なものを取り出し傷口に触れる
それと同時に痛みに耐えるような歯軋りが彼の方からした
『…』
ずきりと心臓が痛む
(私が夢のことをもっとちゃんと信じていれば、未然に防げたかもしれないのに…)
雲雀さんも、九代目も
傷を負うことはなかったかもしれないのに
消えかかっていた後悔と罪悪感が再び押し寄せてくる
『っ…ごめんなさい』
それは無意識のうちにでた言葉だった
「…それは何に対しての謝罪？」
『ぁ、え…』
聞こえていたとは思っていなくて、目を泳がし口をつぐむ
「まあ、大体予想はつくけどね」
雲雀さんはため息交じりにそう言った
「どうせこの傷が自分のせいだとでも言いたいんだろ」
『！』
(え、エスパー…？)
自分の考えを言い当てられ、驚きから思わず顔を上げると黒曜石のような瞳と目が合った
しかしすぐに逸らされる
お互いの視線が離れたと同時に、私は口を開いた
『ひ、雲雀さんもやっぱりそう、思いますか…？』
ディーノさんの部下の方達はああ言ってくれたものの、本人はどう思っているのか知りたかった
しかし肯定されたらと思うと、こんな質問をしたのをすぐに後悔する
少しの沈黙
そして
「は？」
『ひぇっ！！』
心底不愉快そうな声色とあまりの不機嫌オーラに悲鳴を上げる
「そんな馬鹿なこと思うわけないでしょ」
『え、えっ…』
そんな声色で否定されるとはさすがに考えてなかった
何が彼の癪に障ったのだろうかわからなくて、ただ困惑の声を上げることしかできなかった
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るるぶ(プロフ) - yuiさん» yuiさんコメントありがとうございます！励みになります！！更新は不定期な上に超遅くて申し訳ないのですが、待っていただけると嬉しいです。これからも本作品をよろしくお願いします＾＾ (3月25日 12時) (
レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
yui(プロフ) - おもしろい！続きが気になる！ (3月25日 2時) (レス) @page37 id: a5bc97457e (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - ゆいさん» ゆいさんコメントありがとうございます！！稚拙な文章ですが楽しんで頂けて何よりです！これからもちまちまたらたら更新で申し訳ないのですが、気長に待っていただけると幸いです＾＾ (2月25日 1時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 続きが気になります！ (2月15日 13時) (レス) id: e62345f358 (このIDを非表示/違反報告)
るるぶ(プロフ) - 優波さん» うおおお！！優波さん嬉しいコメントありがとうございます！今月はテスト期間でめちゃくちゃ忙しいので更新は来月になってしまいますが、気長に待ってくれると幸いです〜！！ (1月14日 12時) (レス) id: 63f24df033 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：るるぶ | 作成日時：2023年3月24日 18時
