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寝起きの掠れた声に
不覚にも胸がときめいた。
「また、会いたかったから」
その言葉に嘘はなかった。
彼女は困ったように俯く。
「この間は驚かせちゃってごめんね」
「そんなっ。私の方こそ
すみませんでした」
ばっと顔を上げて勢いよく謝ってくる。
「バーに来なくなったって聞いて
すごく後悔した。俺のせいなんじゃないかって」
マスターが出してくれた水を飲む彼女。
俺はずっと不安だったことを
彼女に打ち明けた。
さっきのマスターの言葉を思い出したから。
「ちがうんです、それ...。あの...。
い、忙しくて！！仕事が...。」
しどろもどろになる彼女に
はぐらかされたとすぐに分かった。
でも言及はしない。
言いにくいことなんだろうなって
直感的に思ったから。
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作者名：そら | 作成日時：2017年9月3日 15時
