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「夢でも見てるんですかね」
静かなBGMに重なるマスターの声。
彼女は今、どんな夢を見てるんだろう。
悪い夢なら早く目覚めて。
君と話したいんだ。
聞きたいことがあるんだ。
「彼女、いつも1人でいらっしゃいますが
毎回寂しそうな顔をするですよ。
カップルや友人と一緒にいらっしゃる
お客様を見て」
新しく来たお客さんのお酒を
作りながら小声で話してくれる。
「寂しい？」
「はい。だからきっと北山さんに
話しかけられた時も戸惑ってはいた
とかも知れませんが嬉しかったんだと
思います。
だから私も応援したいと思ったんです」
朧気で儚い印象を受けた
あの日の彼女。
あれは、寂しさから来る
表情だったのか。
「俺わからなくなっちゃって...」
客同士のトラブルを店主に
相談するのは普通じゃない。
でも応援したいと言ってくれた
マスターにとことん甘えたいと思った。
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作者名：そら | 作成日時：2017年9月3日 15時
