Want to (ページ18)

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傷つけた…。

ガラスのように脆くて儚い
オーラを纏った彼女が
思い出される。

俺が彼女を、
彼女の心を割った。

「無意識に引き止めたんだ。
もう少し話していたいって思ったから」

マスターがカクテルを振る音に
隠すようにそう呟いた。

隣でふーっと息を吐く音がして
玉がこっちを見た。

「みつはおじちゃんなんかじゃ
なかったね」

そう苦笑いする。

「…は？」

おじちゃんじゃなかったってなんだし。

あの日玉がしみじみ言った、
〝みつもおじちゃんになったんだねぇ〟って
言葉はいとも簡単に撤回された。

「みつはさ、中2男子なんだね」

「中2男子？」

たまのセリフを反芻してると
あっ、と玉が口を開ける。

「ちがうや、乙女だ」

「おとめぇーっ？」

バーでの振る舞いらしからぬ
大きな声が出てしまい、
慌てて口を噤む。

どうゆうことだよ、玉。
というふうに睨むと、

「めそめそ自信なさげに話してる姿、
乙女そっくり」

なんて涼しい顔で言ってきた。

「ねぇ、マスターさん」って
マスターにもうなづかせようとしてるし。