炎柱、恋をする2

五十三話 ページ13

有栖川side


有『はぁ…今日は散々な一日だった…』



私は縁側で今日のことを思い出し大きなため息をついた。


全部煉獄くんが悪い！



煉獄くんがあんな発言するから…



煉獄くんがあんな発言するから！！




恋多き乙女蜜璃ちゃんが「キュンキュンするわ！」と言って他の柱に言いふらしていた…というのを宇髄さんから聞いた。


彼からはと言うと散々揶揄われて「派手な進歩だな！」と言われた。



派手な進歩とは？



冨岡さんからは「よかったな。」ともう私と煉獄くんがもう恋仲になっている前提で言われたし…。



恥ずかしすぎて死ぬかと思った！


今、すごく叫びたい気分…


有『馬鹿やろー！！』


静かな夜に私の怒声が響き渡る。


すると門の外で「うわっ」


と声がしてとある2人が門を開けて入ってきた。



不「大丈夫かァ？」


顔を上げると不死川さんと悲鳴嶼さんが立っている。


有『こんばんは…そうですね。大丈夫か？と言われたら全然大丈夫じゃないです。』


悲「どこか具合が悪いのなら胡蝶のところに連れて行ってやろう…」


有『外傷的な傷はないので大丈夫です。どちらかと言うと内面的に傷がついてますね。』


不「あぁ…煉獄とお前の関係のことか…鬼殺隊では話題になってたな…」


有『私は穏便に済ませたかったんです。なのにアイツが！』


怒り任せに抜刀しようとする私を2人から必死に止められる。


私が落ち着くと不死川はこう言った。


不「よくわからないが返事はしてやれよォ…返事しなかったら煉獄が可哀想だァ。」


有『…分かってます｡』
　

私がしばらく俯いていると大きな手が私の頭に乗せられた。


悲「有栖川のペースで考えれば考えればいい。でも煉獄のことも考えてしっかりと返事するんだぞ。」


ひっ悲鳴嶼さん！


有『ありがとうございます。』



その時だけは悲鳴嶼さんが仏に見えた。

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