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九十六話 ページ8

有栖川side

有『ちょっとくすぐったい!』


煉「ほら腕を上げろ、これでは体の隅々まで洗えないだろう。」

そう言って際どいところをわざと触る彼。


杏寿郎は、とても嬉しそうな顔をしているが私はくすぐったくて堪らない。


煉「あと少しだからな。我慢しなさい。」


私に接吻をし、また嬉しそうに洗い出す彼を蹴ってやりたくなる。


しかしそんな事をしたら明日に影響が出てしまうが故いつものように声を我慢するしかなかった…


それからしばらくして、私の身体を洗い終わった彼は、私の手を引きお風呂の中へとはいる。


疲れた身体に暖かいお湯が染み渡る。


やっと杏寿郎からの地獄の洗いから開放された安堵感と疲労感が入り交じった大きなため息をつく。


煉「ため息をついたら幸せが逃げていくぞ。何か悩みでもあるのか。」


悩み?悩みだと?一体誰のせいだと思って…


有『もう、私杏寿郎と絶対にお風呂には入りたくないです。あんなことされたらお風呂で疲れ取れない…』


煉「また一緒に風呂に入ろう!先程の君の反応は可愛いかった。」


有『話聞いてた?私はもう入りたくないって言ったよね?あんな意地悪するならもう杏寿郎とは入らないから。』


全く噛み合わない会話に私はまた、ため息をつく。


煉「君も、途中から気持ちよさそうな顔をしていたじゃないか…まあ…俺も少々やり過ぎたのは反省している…しかし、そんなに嫌そうな顔をしなくても…」



有『……っ…』


いつも凛々しく立っている彼の特徴的な眉毛がハの字に垂れ下がる。


ちょっと言いすぎたかな…


煉「…竈門少年たちの頭を撫でている時、君は優しそうな顔をしていたが時折見せる泣きそうな表情だって俺はしっかりと覚えているんだぞ?」


有『…あれは師範の事をおもいだしたから…大したことじゃないよ?ごめんね少し「今だってそうだ、大したことじゃないと言って話をそらす…悩み事さえも話さないほど俺は信用されていないのか?」


そう言って涙を流し始める杏寿郎。



そういえば私は、彼に自身の話を話したこと無い。


悩みだって、師範やお母様の事…病気の事さえも…


杏寿郎のことを信用していないわけじゃない。でも、この事を話すのはやはり怖いのだ…でも…


有『分かった…私話す。杏寿郎に何もかも。』


私は、覚悟を決め過去のことも悩みも全てうちあけることにした。

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みるく(プロフ) - 華さん» ありがたいお言葉をいただき本当に嬉しいです。最近は忙しくてなかなか更新できていませんが出来るだけ早く更新できるように頑張ります! (2021年10月23日 18時) (レス) id: 14f43f79f7 (このIDを非表示/違反報告)
- いつも更新楽しみにしています!本当にこの作品が好きです。これからもがんばってください。応援しています! (2021年10月23日 18時) (レス) id: 95cefb630e (このIDを非表示/違反報告)
みるく(プロフ) - 桃んさん» ありがとうございます! (2021年9月6日 9時) (レス) id: 6c726376e6 (このIDを非表示/違反報告)
桃ん - 続編おめでとうございます!!!!!! (2021年9月6日 9時) (レス) id: 7c2939c0a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みるく | 作成日時:2021年9月5日 14時

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