◇４◆ ページ16
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潤side
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男に押さえつけられて、顔が迫ってきて・・。
とにかく、怖かった。
男の力がすごい強くて俺の力じゃびくともしなくて。
ニヤニヤしてる口元が近づいてくる・・・。
怖い、怖い、助けて、和――・・。
そう言いたいのに、言葉が全然出なくて。
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和はすぐ来てくれて。
突き飛ばされて呆然と動けない俺を抱きかかえてくれた。
――でも、和の体温にほっとしたのも束の間。
和の尋常じゃない震えとボロボロ流れる涙にハッとする。
「泣かないで」と涙を拭く為伸ばした俺の手も軽く震えてる。
情けない・・和の方が、怖い思いしてるのに。
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――俺なんて、大したことない。
そう思い込み、自分の恐怖心を閉じ込めた。
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和「はぁ・・っ、じゅん、く・・っ」
潤「大丈夫、俺は大丈夫だよ・・」
苦しそうになる和をギュっと抱きしめる。
潤「和？怖い人はもういないよ、大丈夫・・」
和「うん・・っ」
以前の和ならこんな状況、パニック起こしてもおかしくない。
俺の声が届く程には克服してきたという事か。
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タクシーに乗って帰宅する。
手の平を怪我したが和が手当してくれた。
ご飯食べる気分でもなくて、風呂入って現実から逃げるように寝た。
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でも、その日の夜。さっきの男が襲ってくる夢を見た。
潤「――っ！」
汗だくで起きて、自然と涙が出た。
そっか・・和は、これ以上に怖い思いを何年もしてたのか。
分かってるようで、分かってなかった。
ふと、横を見ると和がいない。きっと起きてしまったんだろう。
キッチンかな？と思い、俺も行こうとするが・・。
俺が夜中に目が覚めるなんて滅多にない。
和に、心配掛けちゃう。これ以上負担をかけるのは嫌だった。
――俺が傘を忘れなければ、和が傷つくことはなかったんだから。
和が戻ってくる前に慌てて袖で汗と涙を拭い、目を閉じる。
少しして、ガチャっと寝室のドアが開く音。
ベッドの反対側に和が寝転がるのが分かる。
和「潤君・・」
そっと、頭を撫でられる。壊れやすい物を触るように優しく。
和「ごめん、夢では守ってあげるからね」
何度も頭を撫でられる。
あぁ、和の体温って何で安心するんだろう。
自然とうとうとしてきて、眠りに落ちた――。
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潤「すぅー・・」
和「眠れたね、よかった・・。
ほんと狸寝入りが下手なんだから。
俺情けなくてごめんね、潤君。
もう、心配掛けないようにするから・・」
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しょうちゃん(プロフ) - 続きが読みたいです！ (2020年5月19日 23時) (
レス) id: d034f78533 (このIDを非表示/違反報告)
梶 - おもしろかったです！たまに涙が出てくるようなシーンがあって話に夢中でした｡ありがとうございます♪ (2018年5月3日 12時) (レス) id: 11356a9e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2017年8月18日 1時
