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「あ〜ぁ…終わっちゃった」
ポツリと淋しそうに呟く貴利矢。
「…ほんと！あっという間だったね」
Aは少しだけ明るい口調でそう言って立ち上がると、空になった2つのコップを流しに持って行った。
「…なぁ、Aさ」
貴利矢は不自然にも、窓の外に視線を向けたままそう呼び掛けてきた。
「ん、なに？」
シンクにコップを置く音が、静かになった部屋に響く。
「さっき何考えてた？自分を誘う時。」
「…笑ってくれるかな、って。」
貴利矢の問いに、少しだけ間を置いてからそう答えたA。
貴利矢は驚いた表情をして、ゆっくりとAへと視線を移していった。
「花火見て笑ってくれるといいな、って思った。
嘘でもいいけど、できれば心から笑ってほしい。
…貴利矢は、私の特別だから。
ただそれだけだよ。」
その言葉は、あまりにも真っ直ぐで。
貴利矢には、少し息が苦しくなる程に眩しかった。
「…なるほどね。Aには、自分の“ 嘘 ”がバレてたってことか…」
掠れた声でそう呟いた貴利矢。
その表情は、明かりの点いて無い部屋では見ることはできない。
だけど、唯一見えたのは。
その頬を伝う、透明に輝く一滴の涙。
「…貴利矢」
貴利矢の意外な反応に思わず声がもれるA。
「わりぃ、長居しちまったわぁ」
貴利矢はAに涙声を悟られないように、お得意のヘラヘラとした口調でそう言った。
よっ、という声と共に立ち上がって玄関へと向かう。
靴を履いて扉を開けようとする貴利矢の背中に、ドンッと衝撃が走る。
その正体は、貴利矢に抱きついたAだ。
「私、ゲーム病とか消滅とか…全然分かんないけど…
何があっても貴利矢のことを信じてる。
これからも、ずっとだよ。」
“ 心を解かす ”なんて表現では足りないくらい。
自分で自分を信じられない貴利矢に、Aが言った“ 信じてる ”という言葉。
貴利矢は、その言葉に“ 救われた ”ように感じた。
「……ったく、泣かせんなよ(笑)
また明日な？」
貴利矢はAの方を振り向くと、頭をポンポンと撫でながらそう言った。
「う、うんっ…」
Aが頷くのを見てから、貴利矢は扉を開けて帰っていった。
(Aに見破られるなんて、自分もまだまだだなぁ…)
(貴利矢は一人じゃないよ
だけど貴利矢の笑顔を守れるのは…
もう私しかいないんだね)
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くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - サクラさん» 読了ありがとうございます(*^^*)自分でもいいストーリーが書けたと思っていたのでキュンキュンしてもらえて嬉しいです♪(笑)また第３章でもお待ちしてます☆ (2017年9月21日 15時) (
レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - ツルギのお話読みました！本当もう期待以上にキュンキュンしました!!ありがとうございます (2017年9月20日 15時) (レス) id: fead634d8e (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - 封雲夜音さん» そうですか。ありがとうございます♪ では、第３章にて^^ (2017年9月20日 13時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
封雲夜音 - いいえ、ただ確認したかっただけです。大我の話、待ってますね。応援してます。 (2017年9月20日 12時) (レス) id: bcd44cf1b6 (このIDを非表示/違反報告)
くっきーー(ﾟﾚ゜)(プロフ) - 封雲夜音さん» そうですね。遅くなっているのは申し訳ないのですが、今いただいているリクエストは移行後に書くとお知らせでもお伝えしました。何か不都合がありましたか？ (2017年9月19日 21時) (レス) id: 81b45456c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くっきーー(ﾟﾚ゜) | 作成日時：2017年8月24日 17時
