Assortment of sweets (ページ7)

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近くて遠い K.Tsuji_01 ページ7

「おにぃー！朝だよー！！」

ガラッと窓を開けたかと思ったら

『ったく、うるさいねん朝から」

「学校行かないと！下集合だからね！」

『はいはい...』

ふわぁーっとあくびしたかと思ったらぶつぶつ文句を言いながら
準備し始めたのを窓越しに確認して私も学校に行く支度を始める。

おにぃもとい辻皓平とは小さい時からお隣さんで
おにぃの方が年上なのもあって私のお兄ちゃんがわりに世話をしてくれた人だ。

「まあ、辻くんがいたらAも安心して任せれるわ～」

「いつもごめんね～」

『いえいえ、こちらこそいつもお菓子とかケーキとかいただいてしまってありがとうございます』

声変わりを終えたであろう柔らかくて低い声。

クールに見えて面倒見が良くて優しい。

どこをとっても完璧な人。

親が共働きなのもあって普段家に親がいない代わりに勉強を教えてくれたりいじめられたりしていると
助けに来てくれたり一人っ子の自分にとって本当のお兄ちゃんみたいな存在になっていた。

でも本当は

ちょっとでも近づきたくて
あなたに見合う大人になりたくてこの年の差を埋めたいとずっと思っていた___。

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ある日部活動も終わりいつも通り帰宅していたら見覚えのある背中が見えた。

「あっ！おにぃ....っ！」

とそれに寄り添うように見えたもう一つの影。

私は中学生、おにぃは高校生。

おにぃに近づきたく、そばにいたくて、
同じ学校を受験して春から同じ学校に通える。
やっと近くて遠いおにぃのそばにいけると思ったのに___。

それからおにぃの顔を見ることができなくなっていつもの朝の声かけもしなくなった。

幸い私が高校生になったタイミングでおにぃも大学受験のタイミングだったから
お互いに忙しくなって会うことも少なくなった。

苦手だった勉強も新しくできた友達が教えてくれるし、部活動もすぐに決まって
本当に充実した学校生活を送れた。

『A』

たまに声をかけにくるおにぃが現れる以外は。