Assortment of sweets (ページ14)

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ありのままで Y.Kawai_01 ページ14

「Aー！ミッション失敗ー！」

「ううわわわあああああ」

私の悲鳴と一緒に座っていたはずの床が勢いよく抜けて滑り台のように落ちていく。
そしてスピードを緩めないまま熱湯プールに突っ込んでいった__。

「あっつ！！！！」

急いでプールから出てタライに置いてある氷を体にこすりつける自分を見て
たくさんの芸人とスタッフさんが笑っている。

自分のリアクションがありがたいことにお茶の間に受けてぼちぼち仕事をもらえている。
自分の未来予想ではビシッとカッコよくスーツを着てサンパチマイクの前で漫才をしている予定だったのに。

今の仕事が不満かと言えばそうではない。
自分のことで人が笑ってくれる。そんな幸せなことはない。

でも唯一、

『お前、大丈夫か？』

そういって自分を救い出してくれたのはあなたでした__。

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「Aー、今日のリアクションもおもろかったなー、笑」

「いえいえ、こちらこそ使って頂いてありがとうございますー！」

「ほな、またよろしく頼むわ！次はクリームの罰ゲーム考えとくからなー！」

「もう！！手加減してくださいよー！」

そういってひらひら手を振りながら消えていくテレビ番組のディレクターさん。
いつのまにか体当たり企画やリアクション芸が自分のお笑いになりつつあった。

ほんまは___。
いや、自分は体を張る方が向いている。
自分にそう言い聞かせてまた次の現場に向かう。

小さい頃から夢だった芸人になったはいいものの、コンビを組んでも売れず、ピンネタでも売れなかった。
そんなときたまたま出演したドッキリ企画でした私のリアクションがものすごくウケた。

そこからちょくちょく罰ゲームやらリアクション芸やら
体を張ったテレビ企画の番組に呼んでもらえるようになった。

自分の求めていたお笑い像ではなかったけど、人に笑ってもらえる。
それだけでよかった。だから自分の気持ちや考えは捨ててリアクションに打ち込んだ。

『よう、売れっ子さん』

そんなときに声をかけてくれたのが同期のゆずるだった。