Assortment of sweets (ページ15)

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ありのままで Y.Kawai_02 ページ15

「ゆずるやん！久しぶりやなー！」

『すっかり体張り芸人になっとるなー笑』

「まあねー、体張ってなんぼよ！」

『最初の頃は私は漫才で日本一になったんねん！なんて言っとったのに、笑』

「そうだったっけ？そんなことなんてもう忘れちゃったよ、笑」

『....そうか！でも無理はすんなよ』

「してへんよー！何いっとんねん！」

バシバシとゆずるの肩を叩く。

『ちょっ！叩くなや！...でも自分のことは大事にせなあかんで、お前はそうやってすぐに自分を犠牲に....』

ゆずるとは思えない初めて見る真剣な表情で訴える姿に一瞬動揺するが

「もうー、わかったわかったから！」

『ならええんやけど、、』

そう言って納得いってない様子のゆずるを軽くあしらった。

でもまさかこの時はあんなことが起こるなんて思ってもいなかった。

「よーし、今日もやったるでー！」

いつものように体を張った罰ゲーム企画で笑いを取るはずだった。

「あっ、あぶない！！！」

「わっ」

事故に遭う時スローモーションになるっていうけどこのことを言うんやな。
呑気にそんなことを思っていたら気づけば舞台から奈落の底に落っこちていた。

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「全治6ヶ月の大ケガです、しばらくは安静にしてください」

お医者さんからそんな風に言われて

「嫌です...！半年なんて長すぎます！お願いです！仕事させてください....！」

「いいですか、打ち所が悪かったら死んでたんですよ」

そう言われて何も言い返せなかった。
でも自分の武器を取られた気がして焦りしかなかった。

やっとの思いで掴んだ売れるためのチャンス。
私が出なくなった半年で私以上におもろいやつが出てきたら__。

神様は私からやっと手に入れた武器を奪うんか。

ケガの痛み以上に目の前の真っ暗な未来に絶望しかなかった。