そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ18)

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Episode213 ページ18

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「…何コレ……」

「姉ちゃん、大変だー！
家に謎の廃棄物が不法投棄されてるんだ！

それも！何だか不気味なモンスターで……あ。
そう！それと同じ！」

冬樹が慌てたようにリビングに入ると、
夏美が行っていたゲームの中にある
キャラクターと同じであった。

夏美が操作しているキャラの周りには
冬樹が見たという奇妙な怪物。

「あれってゲームのキャラだったんだぁ」

「違うわよ！誰かがゲームに細工したのー！」

納得したような顔で言う冬樹であったが、
夏美はこのようなキャラを見たことが無かった為、
冬樹の言葉を否定していた。

「おじさまラブラブ♪おじさまラブラブ♪
おじ……………っ！キャーーーーッ！！」

モアが楽しそうに風呂場を掃除して、
ケロロの顔をしたスポンジを取ろうとすると、

ケロロからクルルのスポンジに変わり、
それを見たモアは悲鳴を上げていた。

「うふふっ！冬樹くんが落とし物してくれたお陰で
会いに行く口実が出来ちゃった！」

＿＿＿＿

ポールが狙撃銃のような物を構えて、
夏美と一緒に家に帰る冬樹の姿を捕らえる。

あくまで冬樹ではなくて、冬樹の制服の
ポケットからハンカチを狙っていた。

ポールが引き金を引くと、冬樹のハンカチが落ちた。

「……へへ」

そのハンカチを拾った裏桃華は何か企んだような顔をした。

＿＿＿＿

「私がこの手で、丹精込めてお洗濯して
アイロン掛けして…ちょっと焦がしちゃったけど…。

次はしっかりやらなくっちゃ！

…でも、ちょっとドジな所がお茶目で男心を擽るかも…」

アイロンで少し焦げ付いている冬樹のハンカチ。

『次は』ということは、また計画された
落とし物をするつもりなのであろう。

「『ごめんね冬樹くん！』

『良いんだよ桃華ちゃん。
僕は何より君の気持ちが嬉しいよ』

なーんてねー！………ん？」

桃華の元へ舞い降りてくるのは
冬樹が写っている一枚の写真。

「あー！冬樹くんの写真！ラッキー！」

桃華が喜びながら冬樹の写真の所へと
走って向かうとコンクリートの地面に何かが貼り付いた。

「ゔぇっ！なんじゃこりゃ！」

すると、何もない道路だった所は
少し大きな家へと姿が変わっていき、

『桃華フォイフォイ』と
明らかにあの生物を捕まえる為のような形をしており、
桃華は見事に捕まってしまった。

〈クーックックックックックックック〉

「何？…うわ…わぁ！助けてー！！」