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「Aちゃん、起きて」
「ん…んん?」
ここに来てから数日。段々馴染んできて、日の出ないうちから早起きすることはなくなってきた。
それはつまり、朝起きることが出来なくなっていた。私は早起きというのが苦手なのである。現代での味方、目覚まし時計無き今、自力で起きる以外ない。
しかし、今ここに居るのはシナ先生。つまり私は起こされてしまったようだ。
「え、ねぼう、しました?」
「ふふ、寧ろいつもより早いくらいよ」
どうやら起きれなかった訳では無いらしい。もし寝坊などしていたら切腹ものだった。
では何故シナ先生がここにいらっしゃるのだろうか。
「今日はね、みんなが登校してくる日なのよ」
「とう、こう」
「そうよ」
「えぇぇぇぇ!登校!?」
「えぇ。といっても、始業式だけれどね。入学式は明日」
「じゃあ、何故私は起こされて…」
「ふふ、少し打ち合わせしておこうかと思って」
「打ち合わせ?」
「あなた、始業式初めてじゃない」
「はい、まぁ、そうですね」
「まぁ、学園長先生の突然の思いつきにより変わるのだけれどね」
「あ、はは」
とうとう来てしまったのか…この時が。いや、避けようもないし避けていた訳では無いけれど。
「初めてのことで緊張すると思うけれど、私が着いてるからね」
「はい、ありがとうございます」
「一応式には出てもらうけれど、何もしなくていいですからね」
「了解です」
にしても緊張する…いや、初めて会うわけだけど、会うメンツは私の平穏に関わるから…
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ねこまる - めっちゃくちゃ面白かったです!更新楽しみにしてます! (2023年4月12日 21時) (レス) @page42 id: 580960554b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白桃 | 作成日時:2023年3月5日 8時