【第五人格】絵描きが精神異常者で何がいけないのか！【イライ・クラーク】

▽落ち着きたかった ページ1

『聞いて、君は何がしたいの？俺にどんな言葉をかけたいの？
俺はね、誰かに心配されるのが一番嫌いなんだ

それは誰かが嫌いだからじゃない
その人の思考回路を俺が邪魔しているってことが嫌いなんだよ

だから今回のことはすごく嫌
俺のことなんて放っていたって勝手に帰ってきたのに』


苦い味がする、気まずい、雰囲気が舌を毒す。

早くこの場からいなくなりたい。

誰が自分をどう思うと関係ない。


あぁ、でも、今の言葉で誰かに嫌われていないかな。

ここにいた時間はすごく幸せで、楽しかった。


「……それは…」

『語ることがないなら俺は帰るよ
これ以上詮索されるのも嫌だし、何よりここ今の空気は痛い』


ふいっとその場から背を向け、自室へと歩き出す。

その時、慣れた体温に手を取られ、引き止められた。


「…心配は…Aの中で迷惑だったの…？」


麦わら帽子をかぶった少女、エマがこちらを見ている。

それに微笑み、その手を、解いて息を吸う。


『別に心配は勝手にすればいい
でもそれをわざわざ言わないで欲しかった

"お前なんかに心配してやってるんだから"って、
そう言われてる気分になってくる』


俯くエマちゃんをよそ目に、ただ自室へと急いだ。

ダメ、今のこの思いを絵に吐き出さなきゃ。

また誰かとの関係が悪化する、また傷付けてしまう。


傷付けるのは嫌だったのに。

最低だ、俺。

▽不安定すぎる自分→

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