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集団胃腸炎【41】 ページ3

荒北side



無事学校に到着し1時間目の授業中、ぼーっと授業を受けていた。


ねみい...


何とか集中しなければ眠ってしまいそうなくらい数学の授業は退屈だ。


俺は一見不真面目に見えるかもしれないが、実はきちんと授業を受けていて成績もさほど悪くない。


むしろ平均以上だ。


何故なら一定の成績を取らなければ、試験期間の部活が認められないからだ。


全部自転車の為に頑張っていた。


だが今日はあまりにも眠くて仕方ねえから一言先生に言ってトイレでも行くかって思った。


荒『先生ー』


先『なんだ?荒北。』


荒『トイレ行ってきても良いっすか?』


先『いいぞ、授業中だから静かに行くんだぞ。』


許可を取り教室を出る。


あくびをしながらトイレに向かう。


ふと前を見ると、トイレ付近で誰かしゃがみ込んでる?


人の事は言えないが、今は授業中なのに何してんだ?


あれ、あの髪色に体格...


オレンジ色の髪にあのデカさって...


近寄るとやっぱり葦木場だった。


荒『葦木場?どした?』


後ろから声を掛ける。


ゆっくりと振り向く葦木場。


葦『...あらき...たさん...』


顔を見ると青白く具合が悪いって顔をしていた。


明らかに辛そうなので俺もその場にしゃがみ、同じ高さになり目線を合わせる。


荒『調子悪りいの?』


そう問いかけると葦木場はコクリと頷いた。


荒『まあそうだよな、授業中にそうしてるくれえだからな。』


目にはうっすら涙を浮かべしゃがむ事に疲れたのか足がガクガクしていた。


荒『足辛い?動けねえなら一回座る?』


そう言うとゆっくり座りだした。


葦『ハアッ...ハアッ...すみません...』


荒『顔色悪いけど、どっか痛てえの?』


葦『いや...ハアッ...ちょっと気分悪くて...』


荒『そっかそっか...それで授業抜けてきたのか?』


葦『はい...』


荒『保健室までおぶってやりてえけどさすがにお前を1人では運べねえな...少ししたら肩貸すから立てそう?』


葦『...ハアッ...はい...』


ぐったりとして辛そうにするので背中をさすってやる。


葦『ハアッ...ハアッ...ッウ...ハアッ...ピクッ』


背中が少し波立つ。


その瞬間葦木場は口元に手を当てる。


おい、これってこいつもしかして吐きそう?


荒『葦木場?吐きそう?』


顔を見れば涙をポロポロ流しながら頷いた。


ここではまずい。


荒『泣くなって!トイレ行くぞ!』


俺は肩を貸しなんとか葦木場を立たせる。

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作者名:momo | 作成日時:2020年11月24日 18時

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