月光下のワルツ【リッパー】 ページ6
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「…私、リッパーさんみたいにスマートじゃないし…キスも下手だし…横にいるにはふさわしくなくて…
だからせめて、役に立ちたいの。」
私の綴る言葉の後、少し静寂が訪れる
「そんなことを考えていたんですね。
…でも、1つだけ訂正させて欲しい。」
リッパーはAの首へと顔を埋める
「私の恋人にふさわしい人は、私の事を愛してくれる人だけです。…あなたは、違うんですか?」
「…違わない、です……」
「まぁ、初々しさはあなたの良さでしょう。
…何も、悩むことなんてありません。」
彼は優しく私の涙を拭う
愛しさとか、たくさん感情が混ざった涙が止まらない
・
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「…これで、立場逆転ですね。レディーに慰められっぱなしでは、紳士として少しばかり顔が立たないので。」
そういってリッパーはククッと笑った
「そういえばあなたのキス、とても上手でしたよ。」
唐突な感想に恥ずかしさで思わず声が上ずる
「ぜ、絶対嘘じゃないですかっ…!」
「うーむ、…まぁ、強いて言えば勉強不足ですかね?」
そう言ってリッパーは再び口付けるが、先程とは違い唇を押し当てすぐ離した
「これじゃあ、あなたはもどかしい気持ちになる。」
「なっ…!」
「私も同じです。あなたは何回もこのようなキスを繰り返して、私をもどかしい気持ちにさせたのです。」
次は深く口付けた
唇に触れた彼の舌先に応えるようであったが無意識に、私の唇は受け入れるべく少しばかり開いた
まるで食後のデザートを楽しむかのような濃厚な口付けに声が漏れる
「んっ……ふ、ぁ……まっ…てっ…」
「これは勉強ですよ。…Aさん?…頑張って、覚えてくださいな」
しゃべるも彼の口付けは止まない
「こうして何度も角度を変えて…唇を啄ばむように、そして時折こうして舌を絡ませてみてください。」
言い終えると、口付けの嵐は止んだ
「ふふ、あなたは本当に可愛い人ですね。
こんな夜更けですからまっすぐ部屋まで送りたいところです。
…ただ、そう思っているだけですが。
あなたはいかがでしょうか?」
試すような口ぶりに、私の頰は赤く染まる
「…意地悪。」
「まぁまぁ…怒らないで。もうこれ以上野暮な事を聞いたりはしませんから…。
さぁ、私に捕まって。…今日はこのまま私の部屋まで連れて行かせてください。」
甘いひと時を想像させるような一言に、私は胸を高鳴らせた
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星の光は主役である私達を煌々と照らし続けていた
飾りのないまごころだけ 收蠅せ奸暸←月光下のワルツ◆撻螢奪僉次
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虫眼鏡(プロフ) - ぽむちゃんさん» ありがとうございます、リッパーとジョゼフと一緒にアフタヌーンティーをする話がみたいです…! (2019年8月11日 19時) (レス) id: fbf6ffc701 (このIDを非表示/違反報告)
setuna7014(プロフ) - えっと、ケンカップルとか、溺愛とか読みたいです… (2019年8月8日 18時) (レス) id: 9c6758aed7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽむちゃん(プロフ) - setuna7014さん» コメントありがとうございます!ナワーブ君かしこまりました!もし読みたいシチュエーションございましたら、またコメントの方へ教えてくださると嬉しいです!特になければそれでも大丈夫です('ω') (2019年8月8日 15時) (レス) id: 220fc1050f (このIDを非表示/違反報告)
ゆにゃ(プロフ) - ぽむちゃんさん» ぽむちゃん様、リクエストの期待通りな物を作って頂き有難うございます…!!すっごくすっごくキュンとさせられました(*´ω`*)有難うございました! (2019年8月8日 15時) (レス) id: f90955ba8c (このIDを非表示/違反報告)
ぽむちゃん(プロフ) - 虫眼鏡さん» コメントありがとうございます!ぜひぜひ、リクエストしていってください!! (2019年8月8日 15時) (レス) id: 220fc1050f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぽむちゃん | 作成日時:2019年8月2日 18時