30 夜風の置き土産 ページ32
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朝、包み込んでくれるような朝日に微睡みながら目が覚めた
あまりにもゆったりと流れる時間に、イライとの昨晩過ごした時間が夢のように思える
…まだ心臓がうるさい
澄んだ夜空を見ながら、2人で交わした他愛もない話
趣味、すきな食べ物、欲しい物の話…
彼の事を知れば知るほど、唇が重なりそうになった出来事に濃く色をつけてしまう
だがそんな事を思わせない彼の優しい態度に、若干複雑な気持ちだった
あれは本当に起こった事なのかさえ疑ってしまいそうだ
「…朝から、考えすぎだよね。」
当の彼は、朝方ゲームがあるからと護衛を離れた。
困った時は、部屋の近いエミリーやナワーブを呼ぶことになっている
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…それにしても
「なんか、身体がだるい………」
起こした身体が重く、ベッドに腰掛ける
なんとなく悪寒も感じるし頭がガンガンする
エミリーさんのところへ行こうか迷ったが、これくらいの風邪なら心配ないとたかをくくる
それに、夜風に当たったせいだと言われてしまえばイライが気にしてしまう事を1番恐れた
楽しい思い出は、楽しいまま残しておきたい。
それに、この世界に風邪薬などという万能なものがあるとは限らない
どちらにせよ、余計な心配はかけたくないのだ
治せるものなら、自力で治したいし…
「…そろそろ朝ごはんの時間だよね。食欲ないし、どうしよう……」
時計に目をやると、朝食の時間が近づいていた
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・
コンコン、とリズミカルに扉をノックする音が響く
「A、起きてるかしら？広間まで一緒にいきましょう？」
「エミリーさん、おはようございます。」
ドアを開けると、エミリーがそこにいた
「…あら、少し顔色が良くない気がするわ。」
思わず目をそらし、ドキッとする
…もしかして、バレた……？
「…あ、あれかな、昨日白無常さんとケーキ食べすぎちゃったから…！胸焼け、とか…？」
「とかってなによ。自分の体調なのに…おかしな子ね。」
エミリーは口に手をやり笑った
…なんとかごまかせたようだ。
「さ、今日はオムレツにトーストに…カットフルーツも楽しみね！」
部屋を出て廊下を歩く途中、エミリーは朝食が楽しみなのかずっとこんな調子だ
体調が優れない私は話だけでもお腹いっぱいだ
とにかく、今日一日は影薄く過ごして自然治癒を待とう。
私は小さく拳を握り、広間の大きな扉を叩く
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沢山の評価ありがとうございます！
感動だぁ…( ˘ω˘ )
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リンユハルト(プロフ) - この話ホントに好きです！！切なさとかもあって、とても主人公に共感できる部分もありますし、キャラの魅力が引き立っていて最高です！😍 (4時間前) (
レス) @page50 id: edda111e7a (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - めちゃくちゃ好きです😭 (4月27日 16時) (レス) @page48 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - 続きが気になります (1月8日 8時) (レス) @page45 id: 8dd546cbdc (このIDを非表示/違反報告)
おかさん(プロフ) - 今更ではありますが、更新、楽しみに待ってます… (2022年10月20日 5時) (レス) id: 48fcbe9d4c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - アリスさん» 作者さんでもないのに横からすいません。その文を見た時にドキッとしてしまいました...確かに私たちが楽しんで読み進めれば主人公はその分酷い目にあう。そんな発想はなかったのでまた違う面白さが見えてきました！ありがとうございます (2019年12月14日 0時) (レス) id: 31f2218efb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむちゃん | 作成日時：2019年7月4日 19時
