19 理想のシチュエーション ページ20
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「あーさっぱりした…！」
私とエマはあの後お風呂に直行し、狭い浴槽へ2人一緒につかって他愛もない話をした…のだが
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「ねぇ、Aって好きな人とかいないの？」
ゆったりした時間が流れる浴場の空気を切り裂くようなエマの質問だった
「ええ！！い、いない……よ！たぶん。」
しかし胸を張っていないという事が出来なかった。
この荘園に来て、沢山の男の人と仲良くしてもらいそして守られ、「非日常」感が私の胸を高鳴らせていること
それは事実であったからだ。
「まぁ男の人に守られるシチュエーションって、女の子の憧れだよね。気になる人ができてもおかしくないの。」
エマは浴槽のへりで頬杖をつき、いたずらにこちらを見た
「私の一押しはやっぱりイライさんかなぁ…！ミステリアスで紳士なところが女子人気獲得してると思うなの…。」
「確かに…イライさんは謎だよね…。それに、」
それに…
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「顔が赤いの！もしかしてA、イライさんと何かあったの？？」
ニヤニヤとするエマにぽぽぽと顔が赤くなる
「も、もう出るからね！！！！」
「あ！もう！待ってなの…！」
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エマちゃんがあんな話するから、皆のこと意識しちゃうじゃない…！
火照った頬をぺちっと軽く叩き、もやもやとした感情をしまいこんだ
外を見ると澄んだ星空が広がる
「…夕飯までゆっくりしよう。」
自室のドアへ到着し、ドアノブを回したと同時に
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「…A。」
背後から誰かが近づいてき、ドアへ手をついたので私は逃げ場を失う
「イ…イライ、さ………」
顔の横には彼の印である革手袋が見えた
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私の心臓はバクバクと正しい呼吸をしない
首のあたりに感じる彼の息づかい
そして、背後からのかすかな体温
触れられていないのに、身体がだんだんと熱くなるのを感じた
そしてイライは、Aの肩へとおでこをコツンと乗せる
「…君の事が心配でたまらないんだ。今日だって、本当に心配したんだ……」
イライはかすれた声でしゃべった
私は喉まで出かけた言葉を飲み込む
「でもこれだけは覚えていてほしい。僕達は、君を無事に故郷へ返してあげたい。」
そう告げ、イライはドアについた手を解放し、顔を上げAから離れた
私はそっと後ろを振り向く
・
・
そこにはフードをおろし、いつもつけている目隠し布のない彼の姿が映る
触れれば火傷をしそうであるかのように、ターコイズ色の瞳は熱にうなされていた
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ちび(プロフ) - 続きが気になります (1月8日 8時) (
レス) @page45 id: 8dd546cbdc (このIDを非表示/違反報告)
おかさん(プロフ) - 今更ではありますが、更新、楽しみに待ってます… (2022年10月20日 5時) (レス) id: 48fcbe9d4c (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - アリスさん» 作者さんでもないのに横からすいません。その文を見た時にドキッとしてしまいました...確かに私たちが楽しんで読み進めれば主人公はその分酷い目にあう。そんな発想はなかったのでまた違う面白さが見えてきました！ありがとうございます (2019年12月14日 0時) (レス) id: 31f2218efb (このIDを非表示/違反報告)
アリス - 初コメ失礼します。個人の感想ですが、何かこの作品を読んでいると犯人は私たち読者？と思いました。主人公は刺激を求めて、私たちはドキドキを求めるみたいな。この作品は私たちが楽しめば楽しむ分だけ主人公に色々な出来事が起こると思いました。変な文ですみません。 (2019年9月25日 2時) (レス) id: cf8111877c (このIDを非表示/違反報告)
桃雪 - すごい面白いです.......！ナワーブくんもイライ君も皆、かっこいいです...更新、楽しみにしてます！ (2019年8月21日 16時) (レス) id: 8a17dfcf71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽむちゃん | 作成日時：2019年7月4日 19時
