91.サッカー部の魅力２ ページ45
Aが語り終えると、それまでだんまりを決め込んでいた恵麻が口を開いた。
「私はもともとマネージャーではなく、選手としてサッカー部に一年のころ入部しました」
Aは驚きのあまり開いた口がふさがらなかった。Aが驚くのも無理はないだろう。今まで誰にも話すことがなかったのだから。マネージャーとしてここに来るまでのことについては、断片的にしか語らなかった。Aが知っていることといえば、恵麻が普通の人とは違うことぐらいだ。
「なぜサッカー部に入ろうと思ったのか教えてもらってもいいかな？」
紀村の一言にエマの表情が一気に曇るがAの期待がこもった視線を感じて、閉じかけた口を再び開いた。
「長話になってしまうとは思いますがそれでもよければ」
紀村とAが同時に頷いたのを見て、当時の出来事を思い出すように遠くを見つめる。
エマの入学式は数年ぶりに人間界に来た日ともなったのは、幼いころに人間との妖術絡みのトラブルがあり、妖魔界で妖術がコントロールできるようになるまで特訓を行っていたことがあったからだった。
妖魔界で学校には通っていたので学力・運動面には問題がなく、人間関係も良好だった。
部活には所属しなかったが、運動部の助っ人として顔をだすことが稀にあるくらいであった。
本格的に部活を始めたのは入学して１ヶ月後のことだ。ある日突然、友人がエマにサッカー部に一緒に入らないか、と頼み込んできたのだ。なんでもサッカー部には、女子選手がひとりもいないらしく、女子ひとりだと気まずくなってしまうので、部活に入りたくとも入れない。
そこで、どの部活にも入っていないエマを誘おうと思い立ったのだと言う。結局断ろうにも断れず、サッカー部に入ることになってしまったのだ。
「以上が自分がサッカー部に入った経緯です」
エマが語り終えても紀村はメモを書きとっていた。疲れた様子で息をつくと、Aが思い出したようにエマにだけ聞こえるような小さな声で囁いた。
「サッカー部の魅力は？」
Aの言葉にエマは顔を顰めた。正直なところ、エマのサッカー部を一言で表せるような言葉が思いつかない。
「少し考える時間をください」
「構わないよ」
紀村の返答を聞くと、エマは首筋に手を当てて考え始めた。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
